2012年 全米女子オープン

それぞれの暑さ対策

2012/07/07 09:06
暑さ対策は人それぞれ。コンディションとモチベーションを保つことは最重要課題だ。

今年の「全米女子オープン」は、40度近い暑さと湿度、さらに平均で5時間45分という長時間のラウンドが重なり、難コースに対するマネジメントで頭を悩ませるだけでなく、体力の消耗を抑えて集中力を維持するという別の戦いの要素も強い。

昨年チャンピオンのリュー・ソヨンは「日陰に入って、日傘をさして、たくさんの水を飲むこと。それだけね」と話し、ベアトレス・レカリは「たくさんの水を飲み、必要な時に電解質を取るようにする」と言う。

そんな中、宮里藍はほぼ究極だ。酷暑の初日を終えた宮里は、「できるだけのことはやりました。ちゃんと食べて、塩分もとって、ビタミン剤もとって、後半の4ホールくらいはアイスパックで首とか頭を冷やして、日傘は1番ホールからずっとですね」。沖縄の塩「ぬちまーす」を水やスポーツドリンクに溶かして飲んでいたという宮里は、思いつく限りのことはやりました、とすがすがしい笑顔。

一方で、欧米選手の中には日傘すら差さない選手も見受けられる。ポーラ・クリーマーの言葉が、その心理を明かしている。「私はフロリダに住んでいるから、この湿度には慣れている。先週も暑かったし。それに、トレーニングもやっているし、たくさんの水も飲んでいる。1日を終えたとき、座り込んで“お母さん、私くたくただわ”なんて言いたくないの。そんなことは自分自身受け入れられない」。日傘を差すのは好きではないというクリーマーにしてみれば、アジア系の選手の暑さ対策は、過度に見え、弱さの象徴と映るのかもしれない。

どちらの取り組み方も、いかにゴルフに集中できるかということにフォーカスしている点では同じだろう。でも暑いのは事実。観戦する人は、意地を張らずに、しっかりと暑さ対策をするのが賢明だ。個人的には、扇子を重宝しています。(ウィスコンシン州コーラー/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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