米国女子ツアー

世界のトップを目指す、宮里藍の成長を実感

2006/08/07 12:00
最終日の好スコアに浮かれることもなく、自分の成長を振り返る宮里藍。その先の目標に向かって着実に進歩を続ける

イングランドで開催された「全英女子オープン」。最終日に6バーディ、1ボギーの「67」でラウンドした宮里藍は、この日のベストスコアをマーク。昨年と同じような追い上げを見せ、単独9位に入った。ちょっとしたミスがすぐにボギー、ダブルボギーとなってしまうこのコースで、最後まで集中力を切らさずにプレーした結果だ。

18番のパーパットは見ているこちらも力が入った。日本と違い、グリーン表面には大小無数のこぶがあり、いたるところで芝がはげて土がむき出しになっている。1メートルでも苦労するのに、宮里のパットは3メートル近かった。正直入らないと思ったが、宮里はねじ込んだ。この1打で通算イーブンパー。実に気持ちの良い上がりだった。

6月の全米プロで優勝争いをした宮里が「これまで夢だったメジャー優勝が、目標に変わった」と言っていた。今大会中、本人の口から世界一という言葉は出なかったが、常にラウンドを見守っていた父でコーチの優氏は連日、「世界一になるには・・・」という言い方で、技術やメンタルの課題について語っていた。

宮里の追い上げは、明日の新聞やテレビでは大々的に報道されることだろう。だが本人は、最終日の「67」というスコアについては、「良かったです」とだけ言った。決して浮かれずに、淡々と。嬉しいには決まっている。だが自分の目指しているのはもっと上にある。それは、彼女の目標が世界一に設定されていることを、改めて実感させてくれる光景だった。(編集部:今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka