諸見里しのぶ“休養宣言”の年に迎える今季初戦
昨秋に2016年の“休養宣言”をした諸見里しのぶが、所属先のダイキン工業が主催する今季開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」に推薦で出場する。
昨季は医師から不治と診断された『第四肋軟骨の炎症』が悪化し、賞金ランクはキャリアワーストの81位に低迷。賞金シードを逃し、さらにQT出場も見送り、自ら今季ツアー出場への道筋を絶った。ツアーを一時離脱し、体調回復に専念するためだ。
再び輝くためのチャレンジ。昨年12月初めには、痛みの原因と思われる患部にカテーテルを通す治療を施した。以降2カ月は安静を求められ、ゴルフはもちろんのこと負荷の強いトレーニングも自粛。主に「2、3時間のウォーキング」で体力の低下を抑えるオフを過ごしてきた。
2月に入ってからようやくラウンドをスタートしたが、「痛みが出ては休んでの繰り返し」。今週月曜日に18ホールの練習ラウンドを終えたあとも、「うーん…痛みはやっぱりありますね」と現状を明かした。医師からの説明だと、治療の効果が現れる時期は3カ月目からという。「今がその瀬戸際なのかな」。不安と向き合いながら、改善の兆しを待つ日々を送っている。
今季は出場資格を持つ「日本女子プロ選手権」「日本女子オープン」、推薦出場(最大8試合)を合わせた10試合程度にエントリーできる。「体と相談する感じになるので不安もある。焦って10試合に出よう、という気持ちはありません。秋口のQTに向けて、ベストコンディションにもっていければいい」。早期の復帰に向けて、あくまで優先順位は明確だ。
2007年12月から所属契約を結ぶダイキン工業も、諸見里の決意には理解を示している。「当初から諸見里プロとは、長いゴルファー人生をサポートできれば、ということで契約しています。休養により契約への方針が変わることはありませんし、今年は焦らず、ゆっくりと時間を使って欲しいと思っています」(的場一裕コーポレートコミュニケーション室経営IRグループ長)。諸見里の意思を尊重しつつ、状況を見ながら他のトーナメントへの推薦出場もサポートしていくという。
「まずは今週、大会を盛り上げられるように頑張りたいです」と諸見里。結果がすべてといわれるプロの世界にも、目先の結果より大切なものはある。地元沖縄出身で13年連続出場のホステスプロは温かな視線を背に受け、初日のティオフを迎える。(沖縄県南城市/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。