セミラフ無し これが日本女子のメジャーセッティングだ!
北海道の恵庭CCで開催されている今季の国内女子メジャー第2戦「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」。メジャー大会特有の難易度の高いセッティングが施されており、幅20~30ヤードに狭められたフェアウェイの両脇には、すぐに70~80ミリの深いラフが待ち受けている。通常のトーナメントでは設定されている「セミラフ」の部分が無いため、ティショットの精度がスコアに直結する仕様となっている。
ここ数ヶ月の北海道の天候不順も、セッティングには微妙な影響を与えている。フェアウェイは軟らかく、ランが出にくい。練習ラウンドではパーオンできない選手も少なくなかったため、「届かないのはいかがなものかと思う」という入江由香大会実行委員長の方針の下、初日、2日目といくつかのティグラウンドが前に出された。
「(優勝スコアは)2桁は行って欲しい」というのが主催者でもある日本女子プロゴルフ協会の目論見。2日目を終えてトップの7アンダーというスコアは、ほぼ狙い通りと言えそうだ。
2日間を通算イーブンパーで終えた森田理香子は、ショットが右に出てラフに捕まることが多く、思うようにスコアを伸ばせなかった。同じく通算イーブンパーの堀奈津佳はこの日、11番の第1打が左の木にくっつき、2打目はかろうじて右後ろのラフに出すだけ。そこからの3打目でグリーンを捉えられず、4オン3パットのトリプルボギーを喫した。
初の大会制覇を目指す横峯さくらも「前半はフェードを打つことができなかった」と3ボギーを献上し、ショットを修正した後半にようやく2バーディを取り返して、なんとか通算イーブンパーで切り抜けた。
コースセッティングアドバイザーの岡本綾子氏は、「私たちが若い頃は湿気が少なくて、もっとヘッドが抜けていた。今は湿気が高くなって、ヘッドが抜けにくい」と、現在の芝質の技術的な難しさも付け加える。
良いショットには報酬を、悪いショットにはペナルティをという協会の方針は、2日目を終えて7アンダーから26オーバーまでと幅広くばらけたスコアからも、狙い通りにいっているようだ。
その週に一番良いゴルフをした選手が勝つという当然の事実。ほかの選手と争うだけではない。コースとの厳しい戦いを4日間耐え抜き、最後にメジャーチャンピオンの称号を勝ち取るのは誰か?(北海道恵庭市/今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka