ルーキー渡邉彩香「憧れは福嶋晃子プロ」
富山県の八尾CCで開幕した「日医工女子オープンゴルフトーナメント」の初日。7バーディ、2ボギーの「67」でラウンドしたルーキー渡邉彩香が、5アンダーで首位タイの好発進を切った。渡邉は昨年のプロテストに合格し、同年のQTを29位でフィニッシュし、今季の出場権を掴んだルーキーの1人。同期には、今季2勝を挙げている比嘉真美子、さらにここ数戦、好調をキープする辻梨恵、城間絵梨らがいる。
その中でもツアー屈指の飛ばし屋と言われる渡邉は、ドライバーの平均飛距離は約270ヤードというまさに大型新人。今季は「サントリーレディスオープンゴルフトーナメント」での23位がベストフィニッシュとややスロースタートだが、今週はその同期の中でも群を抜く好スタートを切った。比嘉の2勝や、「ニチレイレディス」での辻のトップテンフィニッシュなどを横目に「同期が活躍するのは嬉しい反面、次こそは自分も!」と刺激される中で、ようやくその同期に肩を並べるチャンスが巡ってきたのだ。
負けん気の強さは人並み以上、いや“プロゴルファー並み”以上。それが対自分、対同期ともなれば、「悔しかったら練習する」という姿勢に顕れる。「飛距離では負けたくない」という相手は、常に渡邉自身である。「シーズンも中盤にさしかかってくるとシードのことが頭をちらつく」と言う。どのプロも口にする4日間のファイナルクオリファイの苦しさは、渡邉ももう味わいたくはない。「今は(賞金ランキング)65位で微妙な位置なので、自分の得意な夏の試合で順位を上げたい」と、直近での目標を置いた。
ゴルフを始めた10歳の頃、福嶋晃子に憧れてプロゴルファーを目指すことを決めたという渡邉。今年の「サントリーレディス」で福嶋に初めて対面した渡邉だが、あまりの緊張で伝えたいことがなにも言えなかったと悔やんだ。「当時、会場にも応援に行きました。福嶋さんのティショットの歓声だけは他の選手とは違った」と、“ナイスショット!”ではなく、地響きのように“おぉっーーー”というギャラリーの感嘆の声は、幼いながらも記憶に焼き付いている。「いつか同じ試合に出て、同じ組で回りたい」。その願いが叶う日を、プロとして同じ舞台に立った19歳は夢見ている。なんだか想像してしまう。飛ばし屋2人のドラコン合戦を。(富山県八尾町/糸井順子)
■ 糸井順子(いといじゅんこ) プロフィール
某自動車メーカーに勤務後、GDOに入社。ニュースグループで約7年間、全国を飛びまわったのち、現在は社内で月金OLを謳歌中。趣味は茶道、華道、料理、ヨガ。特技は巻き髪。チャームポイントは片えくぼ。今年のモットーは、『おしとやかに、丁寧に』。