あのWBC戦士も 今週の馬場を支えるモチベーション
生まれは、開催地と同じ九州・福岡県。「Tポイントレディスゴルフトーナメント」初日に8個のバーディを量産した馬場ゆかりが、菊地絵理香と並ぶ「66」をマークして6アンダー首位タイに立ち、「初日に良いゴルフができたので、あと2日が楽しみ」と笑顔を弾かせた。
ホールアウト後に行われた共同インタビューを聞き、今週は馬場のモチベーションアップの要素が揃っているようだ。その1つが、鹿児島県という開催地。出生地の福岡県とは九州の北端と南端に位置しているとはいえ、「自分の車で移動できるし、地元感もある。知り合いも応援に来られますし、頑張りたい気持ちはある」と、気分はすっかり“地元選手”の一員だ。
そして、自身の状態。開幕戦は「直前に微調整したアイアンが飛び過ぎて、縦の距離感が出せなかった」と予選落ち。アイアンをアジャストして迎えた先週の2戦目は「良い感じで距離感が出せた」と12位タイフィニッシュへと繋げた。「手応えがあり、自信に変わった。これだけ気持ちの持ち方が変わるんだ、と思った」。1週間で蘇りを見せたショットメーカーは3試合目に入ってさらに加速、昨年5月の「ヨネックスレディス」依頼となる首位スタートへと繋げた。
もう1つが、『ワールド・ベースボール・クラシック』に日本代表としてプレーした侍ジャパンの一員、プロ野球・福岡ソフトバンクホークスに所属する内川聖一の存在だ。メールをやりとりする仲でもある同じ1982年生まれの内川が、今週日曜日にアメリカで開催された準決勝で盗塁に失敗し、自らの責任を感じて涙したことは今も記憶に新しい。
「私も見ていて悔しかった」という馬場は内川にメールを送ったというが、まだ返事は届いていないという。「忙しいようですね。また日を置いて食事にでもいけたら」。返信メールとともに望むのは、内川から届くであろう馬場の優勝を祝ってくれる祝勝メール。「向こうからメールを貰えるようになればいいですね」と、静かに闘志を燃やしていた。(鹿児島県姶良市/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。