福嶋晃子、断固たる“専業主婦”宣言
主婦業を優先するか、仕事を優先するか、どちらも両立させるか。結婚した女性のプロスポーツ選手たちは、まずはこれらの選択に迫られるはずだ。女子ゴルフ界では近年、北田瑠衣、茂木宏美、藤田幸希、不動裕理らが結婚しているが、そのほとんどが結婚前と変わらず、ツアーへの出場を続けている傾向にある。
昨日39歳の誕生日を迎えたばかりの福嶋晃子も、昨年の7月3日に会社経営者と結婚。その福嶋、今シーズンは出場した試合は僅か5試合にとどまっており、冒頭の問いに対する福嶋の選択は、この数字にはっきりと現われている。
「(主人に)いい仕事をしてもらわないと」。主婦業を優先させ、掃除、洗濯から炊事まですべての家事をこなしている。結婚前はほとんど無縁だった調理道具を手にし、「インターネットでレシピを調べて、頑張って作っています」と、初めて挑戦する料理にも果敢に挑んでいるとのこと。家事の合間には練習場へ足を運んではいるが、気持ちはあくまで“専業主婦”。ラウンド中の表情から一変、その生活を楽しそうに話す姿は見ていて微笑ましい。
今シーズン6試合目となる「日医工女子オープンゴルフトーナメント」2日目を終え、通算4アンダーは首位に3打差の5位タイ。通算25勝目のチャンスを迎えており、ツアー屈指の飛距離も衰えは見られない。優勝への意欲を問われ「ちゃんと練習はしていますし、そりゃそうですよ」とこの時ばかりは目を光らせたが、その一方で、LPGAが定める年間の出場義務試合数(※)には「(試合数を)こなしません」と即答。以降もスポンサー主催競技などへは出場するものの、ベースはやはり専業主婦。パソコンを睨みながらせっせと調理する姿が、今の福嶋本来の姿なのだ。(富山県富山市/塚田達也)
(※)シード選手は年間において、「日本女子オープン」、「ミズノクラシック」、「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」を除く全競技の60%への出場が義務付けられている。2012年の対象は32試合で、出場義務試合数は20試合。定められた試合数に満たない場合は、賞金額によるシード権(上位50位以内)を獲得してもその対象とはならない。
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。