初日のアンダーパーは“0人”! 過酷を極める和合の女子メジャー
今年の「日本女子オープン」は、男子ツアーの「中日クラウンズ」を開催する屈指の名門、名古屋ゴルフ倶楽部・和合コースが舞台。男子では見慣れている和合が、女子のメジャーでどのような展開を生むのか・・・。誰もが関心を寄せるその答えは、アンダーパーが0人で初日を終える過酷なものだった。
今大会で首位がイーブンパー以上で初日を終えたのは、88年のツアー制度施行後では97年以来14年ぶり、4回目のこと。女子ツアー全体では、06年の「フジサンケイレディス」以来5年ぶりとなる。
選手たちを苦しめているのは、狭く絞られたフェアウェイを挟む深いラフだ。「中日クラウンズ」の刈り高60ミリに対し、今週は80ミリに設定。きれいに刈り揃えられたラフは、一見してそれほどの長さを感じないが、「中日クラウンズ」開催の4月下旬に比べ、はるかに芝の密集度が増している。ボールがスポッと沈んでしまうことがほとんどで、こうなるともう手がつけられない。「ラフからだったら100ヤード出ればいい」(宮里藍)、「30~40ヤード飛ばせるか分からないようなラフもたくさんある」(有村智恵)、「ラフに入ると、ほとんど出すだけ。バンカーに入ってしまったほうがラク」(藤田幸希)と、上位選手たちも口を揃えて音を上げる。
さらに明日は天候の崩れも予想されている。グリーンが止まりやすくはなるが、芝の重さが増し、さらに過酷さが増す可能性も・・・。「正確なショット、コースマネジメント、アプローチ、全てが揃っていないと優勝できないコース」とは、溝口まち子コースセッティングディレクターの言葉。付け加えるとすれば、強靭な精神力も要素の1つに挙げられるだろう。石川遼が世界最少ストローク「58」をマークした地で、今度は女子メジャーからどのようなドラマが生まれるのか。興味の尽きない熾烈な争いが続く。(愛知県東郷町/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。