最終日に待ち受けるメジャーの醍醐味
全体的にスコアが伸び悩み、いよいよメジャーらしいロースコアの展開になってきた「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」3日目。そんな停滞ムードの中、森田理香子は16ホールを終えて4バーディ、1ボギーと猛追。通算4アンダーと首位に肉薄し、残り2ホールを迎えていた。
しかし、ホールアウトしてのスコアは通算1アンダー。「またやっちゃいましたね・・・」と苦笑する森田の姿があった。17番パー5ではティショットを右ラフに打ち込むと、2打目、3打目とラフを渡り歩き4オン2パットのボギー。最終18番パー4では、グリーン奥ラフからの3打目がグリーンをオーバーし、コロコロと反対側のウォーターハザードへ。5オン1パットのダブルボギーとし、上がり2ホールで3ストローク落としてのフィニッシュとなった。
メジャー仕様の深いラフ。避けているうちは問題ないが、ひとたび深みにはまれば歯止めがきかない負の連鎖に陥ってしまう。この日の森田が、まさにその典型だった。どのような事態が起きても不思議はない、予断を許さない展開。そしてこれは、いつでも、どのホールでも、プレーする全員の誰にでも起こり得ることでもある。
3打差のアドバンテージを得た首位の横峯さくらも、「3打差はあって無いようなもの」と優位に立っている意識は無い。5打差を追う福嶋晃子は「大きいスコアが出るコースではないし、諦めずに頑張りたい」と話せば、6打差を追う不動裕理も「このコースは何が起きるか分からない」と、まだまだ逆転への望みを捨てていない。百戦錬磨の2人が口にするだけに、真実味が込められている言葉。決着の最終日、メジャーの醍醐味を心ゆくまで味わってみたい。(千葉県市原市/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。