2010年 樋口久子IDC大塚家具レディス

森田「いつか“敵無し”と言われるように」

2010/10/31 19:50
この日の森田理香子は、まさに“敵無し”のそれだった

圧巻の18ホールだった。18ホールの最多記録に並ぶ11個のバーディを奪い、ツアー最少ストロークタイとなる「62」をマーク。もともと爆発力に定評があった森田理香子だが、時には大叩きをする出入りの激しさが欠点でもあった。だが、この日は僅か1ボギー。ツアー屈指の飛距離を活かしてバーディを量産する、森田の魅力が凝縮されたラウンドだった。

プレーの波と同様、精神的にも浮き沈みは多かった。今シーズン中盤も思うような結果が出ない時には、「気持ち的に沈んでいた。上手くいかず、このまま終わってしまうのかな、(ゴルフを)やめないといけないのかな、と思った」と、20歳にして悩む日々が続いていたという。

そんな森田を成長へと導いたのは、1年前から師事する岡本綾子や、姉弟子の服部真夕らをはじめとする周囲のサポートだ。「良い先輩、良い師匠に恵まれてここまで来られました。自分1人ではなく、皆さんの力で勝てたと心から思っています」。先週、師匠から送られた、「良いものを持っているのだから、練習をしていれば良いことがある。とりあえず練習をしなさい」という言葉。沈む気持ちに屈せず、逃げずに練習を続けてきたことが最高の結果へと繋がった。

「彼女の長所はパワーヒッター。やっぱり飛距離は魅力」とは、森田に対する師匠の評。その潜在能力の高さや飛距離への魅力は、森田を知る誰もが認めるところだ。「もっと練習をして、いつか“敵無し”と言われるくらいに上手くなりたい」。今日のプレーは、まさに誰も寄せ付けない無敵の強さだった。今週の勝利が、森田の将来像に向けたプロローグとなるのか。将来の成長が、本当に楽しみだ。(編集部:塚田達也)

■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール

1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。

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