30歳の新人戦 ベイブ・リュウ「他の人生も考えていた」
◇国内女子◇JLPGA新人戦 加賀電子カップ 最終日(8日)◇グレートアイランド倶楽部 (千葉)◇6582yd(パー72)◇晴れ(無観客)
30歳のルーキー、ベイブ・リュウ(台湾)にとって無観客といえど、念願の54ホールだったかもしれない。
「新人戦は普通の試合と違って、それほど緊張感がないので楽しくできる感じでした。とても良い試合」。成績は通算イーブンパー5位と納得のいくものではない。それでも賞金88万5000円の重みは十分に感じていた。
11歳から競技を始め、176cm、69kgと恵まれた体格を武器に22歳だった2015年から、プロテストを経ずに当時のTP単年登録で日本ツアーに参戦した。同年の下部「フンドーキンレディース」で初優勝。17年「ニトリレディス」では優勝した申ジエ(韓国)と2打差の2位に終わった。ところが、19年に制度が変わり、ツアー出場のためのQT出場はJLPGA会員(プロテスト合格者等)だけとなり、道が閉ざされた。
コロナ禍も重なった。米ツアー予選会にも挑戦したが、結果につながらない。食事も合わなかった。それでも、諦めずに今年11月のプロテストに4度目の挑戦で19位タイの“ギリギリ”合格。前週のファイナルQTは45位に終わり、来季のレギュラーツアーは限定的となるが、表情は明るい。
「今年のプロテストに失敗したら、ゴルフをやめようと思っていた。台湾で自分の会社をやっているので。年もとったので、他の人生も考えていたが、まだゴルフができてうれしい」
2024年シーズンはレギュラー、下部、台湾ツアーに参戦する予定で、今オフは母国・台湾で100yd以内の精度に磨きをかける。
「日本は友達もたくさんいる。レギュラー優勝を目指して、もうちょっと頑張りたい。レベルをあげたいですね」と力を込めた。(千葉県長南町/玉木充)
■ 玉木充(たまきみつる) プロフィール
1980年大阪生まれ。スポーツ紙で野球、サッカー、大相撲、ボクシングなどを取材し、2017年GDO入社。主に国内女子ツアーを担当。得意クラブはパター。コースで動物を見つけるのが楽しみ。