フード付きゴルフウェア 日本ツアーの女子選手はどう感じているのか?
◇国内女子◇TOTOジャパンクラシック 最終日(8日)◇太平洋C美野里C (茨城県)◇6554yd(パー72)
10月の欧州ツアー「BMW PGA選手権」(イングランド・ウェントワースGC)で優勝したティレル・ハットン(イングランド)が着用して、英国でその是非が議論となったフード付きウェア。「ゴルフのドレスコードにフードは適しているのか?」というものだった。では日本はどうか。国内女子ツアーの現場で選手に聞いてみた。
プロ16年目でベテランの域に入る上田桃子は「私はフィニッシュで(フードが)上がってくるのが気になる。たぶん、試合では着ていないと思う。でも若い選手はポロシャツじゃなくて、丸首のままとかも多いので(フードは)時代に沿っていいんじゃないかな」と見解を示した。
「そんなこと言っていると、ゴルフをしたいと言う人が減ってしまう。古き良きものを大切にするのも大事なことではあると思うけど、私はアリ派。それがきちっとした格好には見えない風には見えない」とも付け加えた。
米国女子ツアーでは、今季2勝のダニエル・カンが8月の「ASIスコットランド女子オープン」などで着用している。同じ舞台を主戦場とする河本結はフード付きのアウターでティオフ前の調整に励んでいた。
「私の印象では海外のツアーは何でもあり。襟なしもいますし、背中がオープンになっていたり。それで問題になったのはびっくり」と説明した。
もちろん、国内女子ツアーではフード付きは問題なし。ただ、日本女子プロゴルフ協会は選手の心得(※)として服装についての規定を設けており、違反すると1度目が注意、2度目は5万円以上の罰金を科される。
朝は気温10度を下回る日もあった今大会。ウォームアップでは多くの選手が防寒性に優れるフード付きで調整に励んでいた。
しかし、ティオフ前の練習やプレー間の移動など着用は限定的。フード付きでショットを放っていたのは臼井麗香らわずかで、ほとんどの選手はその都度フード付きを脱いでプレーに臨んでいた。
現在、多くのウェアメーカーがファッション性にも優れたゴルフ用のフード付きウェアを販売しているが、ツアー現場で浸透するにはもう少し時間がかかるかもしれない。(編集部・玉木充)
<※JLPGAが規定する選手の心得>(抜粋)
10. 選手は、服装、髪型、化粧などに気をつけ、女性ゴルファーらしいみだしなみを心がけなければならない。
11. 選手は、LPGAトーナメントの会場で、ジーンズ、迷彩柄のウェア並びにポケットが膨らむヒダつきカーゴタイプのパンツ及びスカート(レインウェアを含む)を着用してはならない。選手が、トレーナーを着る場合は、襟を出すか上着を着なければならない。選手は、ミュール及びサンダルを着用してはならず、スニーカーについては、トーナメントの会場がその着用を禁止している場合には、着用してはならない。
12. 選手は、ゴルフメーカーがゴルフウェアとして販売しているTシャツに限り、着用することができる。ただし入退場時を含むクラブハウス内においては、上着を着用すれば、ゴルフメーカーがゴルフウェアとして販売しているTシャツでなくても着用することができる。
13. 選手は、入れ墨、タトゥーを施してはならない。もし発見した場合は、即座に退場を命ずる事がある。
14. 選手は、前夜祭会場内でジーンズ及びスニーカーの着用をしてはならない。前夜祭会場内でTシャツを着用する場合は、女性らしいファッション性のあるものか、上着を着用することが望ましい。
■ 玉木充(たまきみつる) プロフィール
1980年大阪生まれ。スポーツ紙で野球、サッカー、大相撲、ボクシングなどを取材し、2017年GDO入社。主に国内女子ツアーを担当。得意クラブはパター。コースで動物を見つけるのが楽しみ。