難易度に変化は? 16番グリーン改修で誕生した新たなピン位置
◇国内メジャー◇日本ツアー選手権森ビル杯 3日目(8日)◇宍戸ヒルズカントリークラブ(茨城県)◇7387yd(パー71)
前日からの雨によりグリーンの硬さがやや抑えられ、第3ラウンド16番(パー3)は手前から41yd、左から8ydの位置にピンが切られた。このピンポジションに、多くの選手が反応したかもしれない。16番に新たに加えられた改修によって、今大会で初めて披露されたシビアなピン位置だったからだ。
改修ではグリーン左奥の傾斜を強め、縦幅8ydほどの高く狭い段が設けられた。ピンは傾斜から4yd入った位置に切られ、奥のエッジまでは4yd。ティエリアを前に出してピンまで146ydの距離(予選ラウンドは190yd)に設定され、高弾道でボールを止めるショートアイアンの精度が試された。
コースセッティングを担当する田島創志プロは、コースの状態や天候、他ホールのピン位置の流れなどを考慮し、「いろいろな意見を聞きながら、総合的に判断して今日しかないと思った」と説明する。もちろん難度の高さは承知の上だが、「146ydの距離の中で、日本タイトルがかかる試合ならば(傾斜から)4ydだろうと。そこを打ち分ける技術が欲しい。難度は高くなるが“宍戸らしい”と思う」と狙いを明かした。
肝心のスコアを見てみよう。平均ストローク数は第1ラウンド「2.992」(難易度16番目)、第2ラウンドの「2.984」(同15番目)に対し、上位67人が進んだ第3ラウンドは「3.075」とオーバーパーに達して難易度は8番目に上がった。傾斜に落ちて手前に大きく戻される、または奥のラフに打ち込む選手も散見された。
前年覇者の市原弘大は9Iでピンそばにキャリーさせ、カップから10cmにピタリと止めるスーパーショットを披露。「高い球で狙った感じで、手応えも良かった。傾斜で戻ると(手前の)ファーストカットまで行くし、スピンが入らないと奥のラフに行っちゃう。完璧じゃないと寄らない」と、その難しさを表現した。
この日の16番のスコアの内訳は、バーディ12個、パー43個、ボギー8個、ダブルボギー3個、トリプルボギー1個という数字。改修を含めてコースセッティングに携わった関係者たちの目に、どのように映っただろうか。(茨城県笠間市/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。