ゴルフ男女ツアーのギャラリー数&視聴率を検証してみた
ゴルフ国内男子ツアーの2016年シーズンは、12月の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で全日程を終えた。国内女子ツアーも「LPGAツアー選手権リコーカップ」で締めくくった。賞金タイトルは男子が池田勇太、女子は2年連続でイ・ボミ(韓国)だった。今年の両ツアーの盛り上がりをギャラリー数、テレビ視聴率で検証していく。
■ギャラリー数は女子ツアー圧倒!松山&石川の効果はテキメン
日本ゴルフトーナメント振興協会のまとめによると、ギャラリー数は男子ツアーが日本で開催された24試合で34万9681人(昨年は33万6427人)。一方、女子ツアーは同じ37試合(熊本地震のため中止になった1試合を除く)が開催された昨シーズンから2万9686人減少し、53万894人だった。女子ツアーは3日間競技が主で、男子ツアーは4日間競技で争われる。1ラウンドごとの平均値を見ると、男子ツアーの3680人に対し、女子ツアーは4387人と大きく上回った。
1試合当たりの最高入場者数で見ると、男子ツアーは松山英樹、石川遼、アダム・スコット(オーストラリア)が出場した10月の「日本オープンゴルフ選手権」で、4日間で4万5257人を記録した。女子ツアーは春の大型連休と重なった5月の4日間競技「ワールドレディス選手権 サロンパスカップ」で、3万4095人を集客した。
■視聴率は男子ツアーに軍配!女子ツアーはダウン
テレビの視聴率に目を向けると、ギャラリー数とは異なる数字が出てきた。優勝者の決まる最終日の平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)で、男子ツアーは昨年から0.3ポイントアップの5.4%を記録した。一方、女子ツアーは昨年から0.7ポイント下がり5.2%。ギャラリー数で大きく上回った男子ツアーよりも低い数字となった。
最高視聴率を出した試合は、男子ツアーがギャラリー数と同じく10月の日本オープンで、9.4%。女子ツアーは、畑岡奈紗(ルネサンス高3年)がアマチュア史上初のメジャー制覇を遂げた10月の「日本女子オープンゴルフ選手権」で、同じく9.4%だった。
■賞金レースの盛り上がりが影響か
視聴率の結果には、賞金レースの展開も大きく影響したと言えそうだ。男子ツアーは池田、谷原秀人のデッドヒートが最終戦までもつれ込んだ。谷原の逆転もあり得た最終戦最終日の視聴率は8.9%を記録。石川が優勝した「RIZAP KBCオーガスタ」、松山の制した「三井住友VISA太平洋マスターズ」を上回る数値で、今シーズンの2番目だった。
男子ツアーを管轄する日本ゴルフツアー機構の広報担当者は平均視聴率の上昇について「やはり賞金レース展開が大きく左右したと思います。松山選手の活躍も影響した」と分析した。
一方で、女子ツアーは終盤戦の視聴率が芳しくなかった。イの賞金女王が決まった11月の「大王製紙エリエールレディス」は3.9%と低調。愛媛県松山市で開催された同大会の最終日には6445人のギャラリーが集まり、“裏街道”だったイの組も人波で選手たちが見えないほどになったのとは対照的だった。
日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の広報担当者は「試合数も増えており(視聴率の低下は)あまり気にしていない」と、女子ゴルフ人気にかげりが出ているのではないかとの見方を否定した。(編集部・林洋平)