2位発進!池田勇太 マスターズ覇者参戦への心構え
国内男子ツアーのメジャー今季第3戦「日本オープン選手権競技」が16日(木)、千葉県の千葉カントリークラブ梅郷コースで開幕。マスターズ王者アダム・スコット(オーストラリア)の7年ぶりの日本参戦で、昨年の3倍の観衆が来場した初日、池田勇太が7バーディ1ボギーの「64」(パー70)をマークし、淡々と6アンダーの2位で滑り出した。
出だし10番でグリーン左手前ラフからチップインバーディで発進した池田は、続く11番で5mを沈めて2連続。13番(パー3)はピン手前6m、17番は残り183ydの第2打を6Iで3mにつけてチャンスをものにした。終盤は思うようにスコアが伸ばせず「最後は尻すぼみに終わるのかなと思ったけれど」という最終9番は、1.5mのフックラインを読み切ってバーディフィニッシュ。「あれがきょうは一番。あしたにつながる」。まだ第1ラウンドながら、締めくくりに力強いガッツポーズを披露した。
ショットは好調をキープしたまま、今週スイッチしたマレット型の新パターが大きな助けになった。「ずっとパットが悩みのタネだったんだけど、(2週前の)東海クラシックで古いパターを持ち込んで、つかんだものがあった」と、ストロークの意識も修正。プロ初勝利となった2009年「日本プロ選手権 日清カップ」以来となるメジャータイトルがかかる戦いを前に、オーダーしていたモデルが手元に届き「(フィーリングと道具の)両方がマッチしてくれた」と喜んだ。
スコットの登場に沸いたこの日、マスターズチャンピオンに注がれる多くの関心について、池田はクールに構えている。
「例年ダンロップフェニックスや三井住友VISA太平洋マスターズなどの(海外選手を呼ぶ)試合もあるけれど、そこに出ている選手がどんな選手であろうと、プレーヤーの一人には変わりない。どんな相手でも、自分がいかに戦って勝てるか、勝てないかの世界。彼が来たことで、大会としての盛り上がりはある。けれど、そんなことよりは自分のゴルフというものが、自分にとっては大切なのかなと思う」
相手に敬意は払っても、コース内で過剰な対抗意識は不要。世界のトップアマを相手にしたアマチュアのころも、プロデビューしてメジャーに足を踏み入れたころも、確かに池田勇太はそうだった。同組でプレーする海外のトップ選手について問われても「よく知らない。アイツ、すごいのか」と、いつもあっけらかんとしていた。世界ランク2位の強者と争う“日本一”の称号。物怖じなく、つかみ取る準備は整っている。(千葉県野田市/桂川洋一)
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw