上がり3ホールで失速…桑原克典は悔しい8位
茨城県の美浦ゴルフ倶楽部で開催された「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP in 霞ヶ浦」の最終日。連日主役級の活躍を見せたベテランの桑原克典は、最大瞬間風速9.2メートルの風が吹き荒れた中、首位とは6打差の5位から出て、ビッグプレーでギャラリーを沸かせた。
195ヤードを残した4番の第2打、7番ウッドでピンそば1メートルにつけるスーパーショットを見せ、バーディを先行。フェアウェイバンカーからの2打目を右サイドのブッシュに入れ、アンプレヤブルを宣告した6番(パー5)からは2連続ボギーを叩いたが、9番では第2打をピン手前1.5メートルにつけて再びバーディを取り返し、大荒れの優勝戦線に食い下がった。
しかし「ゴルフはやっぱり上がり3ホールだと思った」と、ホールアウト後の名手は肩を落とした。16番のバーディで可能性をつないだかに思えたが、17番の第2打は奥のカラーまで行き、強烈な下りのラインから“3パット”。最終18番はティショットを右へ曲げ、3オンからダブルボギーを叩いた。
「3ホール、ここを乗り越えてこそ勝負師になれるはずなのに…」。丸山茂樹、藤田寛之らと同じ1969年生まれで、学生時代に「東の丸山、西の桑原」と評された実力者は、唇をかんだ。
最終順位は通算5アンダーの8位タイ。これが悔しい。2010年を最後に賞金シードを失い、今大会には10月に行われた下部ツアーの姉妹大会「HEIWA・PGM Challenge III ~ Road to CHAMPIONSHIP 2013」を制しての出場。あと2ストローク、5位以内に入っていれば、ツアーの規定により次戦にも出場が可能だった。
それでも桑原は「本当は今週5位で、来週…とつないでいけたら“這い上がっていく”という感じがして、面白かったね。こういうシステムは他にないから」と、レギュラーとチャレンジに密接な関係を持たせた今大会の仕組みに感謝した。
今大会で“奇跡の賞金シード復帰”は達成できなかったが、3週後の「カシオワールドオープンゴルフトーナメント」に出場を予定。今大会の獲得賞金約525万円を弾みに再挑戦する。(茨城県美浦村/桂川洋一)
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw