ジャンボ尾崎が松山英樹を称賛「天性、センスの良さがある」
茨城県の大洗ゴルフ倶楽部で開幕した国内男子ツアー「ダイヤモンドカップゴルフ」初日。尾崎将司が初めて同組でラウンドした松山英樹を称賛した。
ジャンボ自身はこの日、1バーディ、6ボギーの「77」。5オーバーの119位タイと出遅れのゴルフ。「全然(ダメ)。失敗ばかり。今日の午前中は悪いコンディションでもなかったのに。グリーンも止まるしね」とプレーを嘆く。その一方で後半に巻き返して1アンダーの27位タイ発進を決めたスーパールーキーについて「(松山は後半に)取り返したな。あの(丈夫な)体が羨ましい」と苦笑いで話した。
しかし、注目したのはその体躯だけではない。「(スイング)アークが大きい。今の選手は(フィニッシュで)左手の動きが小さいけれど。あれだけのパワーを持っている人間は、“舵を取る”左手がしっかりしていないと。あの子はその辺がしっかりしている。俺にもああいう時があったかな」とジャンボ。そして「一番大事なのは間合い」と松山の独特のリズムをに目を見張った。「バックスイングから、ダウンスイングに入る時に(トップで)間合いがある。パターまですべて同じようなのが素晴らしい。クイックにならない」。
そして、21歳の大きな強みであるグリーン上での戦いも高く評価。「球にフェースが“ワッ”と向かってくる。フォローで打つんじゃなくてな。他のショットと同じでフェースの面でとらえている」と独特の表現で讃えると、「やっぱり天性、センスの良さがあるし、(間合いやリズムも)自分のものにしている。上に行くやつはパターが下手じゃダメ。その(強くなる)条件を持っている」と今後の飛躍にも太鼓判を押した。
この日の18ホールを振り返った松山は「やっぱりオーラがあって、近づけなかったですね。話しかけられないです」と話し、偉大な先輩プロのプレー、とりわけアプローチの技術に感服した。しかしジャンボは「そんなの(松山の)社交辞令や」と一蹴。「オレは球が曲がるから行く方向が違って、(歩く間に)会話なんかできない」と笑った。
「彼にもうちょっと良いゴルフを見せたかったのが本音。昨日の練習場はすごいアゲンストの風が吹いていたから、低めの球を練習していたんだけど・・・」と口惜しそう。しかし意気衰えぬ66歳は「でも、明日があるからな」と次なる18ホール、31日の第2ラウンドを心待ちにしていた。(茨城県大洗町/桂川洋一)
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw