師匠に続き、弟子も完敗・・・武藤俊憲「僕の手に負える人ではない」
東京よみうりカントリークラブで開催中の国内男子ツアー「ゴルフ日本シリーズJTカップ」は2日目、藤田寛之が後続に5打差をつけて単独トップをキープした。初の賞金王戴冠、そして大会史上初の3連覇へ向け、磐石の態勢を整えている。
シーズンの各大会優勝者と国内賞金ランキング25位以内の選手が集結する最終戦は予選落ちが無く、全選手が4日間をプレー。2日間同じペアリングで回る通常の予選ラウンドは無く、2日目から成績順に組み替えが行われる試合だ。初日は賞金ランキングの下位からトップスタートを切り、最終組には賞金ランクトップ3の選手が入る。その第1ラウンドではランキング2位の谷口徹が、「61」を叩き出した藤田に完敗。ライバルの“退治”を「武藤君に任せます」と、普段から親交の深い後輩、初日2位発進の武藤俊憲に託していた。
しかしその“弟子”も、第2ラウンドを終えると少々肩を落としてクラブハウスに引き上げてきた。3打差から出た武藤だったが、2バーディ、1ボギーの「69」にとどまり、通算7アンダーの3位タイも差は6ストロークに拡がった。「師匠が敵わないんだから、僕が勝てないでしょ」と苦笑い。「今の状態では僕の手に負える人ではない」と、ベテランの粘りのゴルフを称えるばかり。一方で、いたずらっぽく笑ったのは藤田だ。「気持ち良いですね。2日連続で“チーム谷口”をね(やっつけた)」と、おどけながら勝ち誇った。
後続の選手に追われれば、トップの選手にはプレッシャーがかかるもの。それが、最終組での直接対決といった同伴競技者であればなおさらだ。だが大量リードを奪ってトーナメントを折り返した藤田は「あまりトップにいるのが好きなタイプではない。早く後続が、どんどん来てくれるといい。ガンガン来られた方が、自分のやるべきことが鮮明になってくる」と警戒心を解く様子は無く、他選手のチャージを望んですらいた。
3日目、最終組に入るのはこの日「62」をマークしたハン・リーと、7アンダー3位タイの石川遼。藤田は2人について「ハン・リーは、今年調子が良く、ビッグスコアを出せる大型選手。遼に関しては、プロ意識が強く、歯切れの良いスイングも大好き。一緒に回りたい選手の一人。ギャラリーも自然に多くなるし」と評し、ムービングデーのペアリングも歓迎した。トップを引きずりおろす刺客は、果たして現れるのか。(東京都稲城市/桂川洋一)
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw