藤田寛之、世界3位に挑戦状
国内男子ツアー「ダンロップフェニックストーナメント」は予選2日間を終えて、世界ランク3位のルーク・ドナルド(イングランド)が、2位に4打差の通算13アンダーで単独首位に立っている。
そのドナルドとの対決を熱望する藤田寛之は、2日目の最終18番ホールで勝負に出た。直前の17番パー3でリーダーズボードを確認し、18番でバーディを獲れば最終組でドナルドとラウンドすることができると考えていた。
ティショットがフェアウェイ左のバンカーに入ると「普段なら2日目だし、ムリせず脱出してパーでもいいとか考えますけど、今日は勝負に行きましたよ」と、その時の心境を語る。バーディを獲るためには、3打目をショートアイアンでピンに絡めないと可能性は低い。そのため「すぐ前の松の下をくぐって、その先の松の上を抜ければいい位置に運べる」とセーフティなゴルフが目立つ藤田だが、バンカーからという難しい状況で果敢に攻めた。
すると7番アイアンで放った2打目はイメージ通りにピンまで120ヤードの地点でボールは止まり、3打目のピッチングウェッジでピン1.5mに止めてバーディフィニッシュ。藤田の狙い通りに通算7アンダーまでスコアを伸ばした単独3位でホールアウト。3日目に最終組でドナルドとラウンドする権利を掴んだ。
ドナルドに対する印象を「まだ回ったことがないから正直印象と言われても・・・。ただ、今週ここにいる中で一番の選手だし、一緒にプレーすることで感じたい。世界ランク3位がどんなゴルフをするのか。今週はチャンスがあるんだから、一緒に回りたいと最初から思っていましたね」と話す。
「テニスや相撲みたいに1対1の勝負なら、格上の選手と戦って勝てば金星みたいのがあるけど、ゴルフはそうではないので。彼に勝ちたいという気持ちよりは、とにかく世界3位の内容、空気感を知りたい」。40代に入ってからもゴルフ技術向上のためにどんなことでも吸収しようと貪欲な藤田にとって、自分よりも格上のゴルフと直に接触できることはこの上ない経験となるはずだ。(宮崎県宮崎市/本橋英治)