2012年 三井住友VISA太平洋マスターズ

増田伸洋 崖っぷちでジャンボの教えから5位浮上

2012/11/09 18:42
復調の兆しを見せるショットでチャンスを多く作り出した増田伸洋

静岡県の太平洋クラブ御殿場コースで開催中の国内男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」2日目。例年通り、上位がバーディ合戦を演じる中に、増田伸洋が加わってきた。3アンダーの10位タイから出ると、5バーディ、1ボギーの「68」をマーク。首位のハン・リーとは3打差の通算7アンダーの5位タイに浮上した。

この日、沈めた5つのバーディパットはすべて“1ピン以内”のもの。インから出て15番で1.5メートル、続く16番も1メートル。それほどショットがキレまくった。「外したパットもあったけれど、今までに比べれば納得です」。前後半ともに「34」で回り、好位置でトーナメントを折り返した。

「突然変異」と笑う。しかしながら、その要因は確かなものがあった。今季も残り4試合、いや、年間優勝者と国内賞金ランキング25位以内の“エリート選手”が出場する最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」を除けばあと3試合しかない。しかし増田が今季ここまでに稼いだ賞金額は約270万円。ランキング114位に沈んでいる。そこで前週はオープンウィークを利用して、かねてから教えを受ける尾崎将司のもとへ駆け込んだ。

ジャンボは開口一番「来るのが遅い」とピシャリ。詳細は「企業秘密」と言うが、懸命にスイング修正に取り組んだ。「お前みたいのが、そうやるからダメなんだ」。厳しい言葉を浴びた2日間。それまではスイングと出球に大きなギャップを抱えたままシーズンを過ごしてきたが「自分が納得できるように教えてもらった。それから調子が良い」と、胸につかえるものを取り払い、会場入りしてきたところだった。

「あとはこれでダメならしょうがない。自分の与えられた課題をやるだけ。ジタバタする位置ではないから。上の選手がどうこうではなく、自分がやれることをやります。ああだ、こうだ、言ってられない」

「シード権」の言葉を口にするのに、選手も、周囲も、少しばかり勇気がいる季節。現実と正面から向き合い、すべてを受け入れたようなプレーヤーの素の顔も、冬空の下のトーナメント会場には多くある。(静岡県御殿場市/桂川洋一)

■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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