国内男子ツアー

アイの力・・・?初優勝を狙う宮里優作が1打差4位

2011/12/01 20:27
キレのあるショットで好発進。宮里優作はメジャーで悲願の初勝利を狙う

国内男子ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」が1日(木)、東京都の東京よみうりCCで開幕。4アンダーの首位に3人が並ぶ中、ツアー未勝利の宮里優作が1打差の4位タイと好スタートを切った。

寒空の下で戦いの火蓋が切られた東京決戦。その初日、宮里は序盤から好調のショットでチャンスを多く作った。3番まではパーが並んだが、残り183ヤードの第2打をピンそば40センチにつけた4番から3連続バーディを奪取。「パターは入らなかったけれど、前半で良い流れを作れた」。後半こそ2バーディ、2ボギーとスコアを伸ばせなかったものの「67」で上位発進を決めた。

この日、宮里の組のプレーにロープの外から熱視線を送ったのは妹の宮里藍。2004年末以来、7年ぶりに男子ツアーの観戦に訪れた。「僕ではなく、姪っ子(優作の長女)に会いに来ただけでは…」と照れ笑いするが、一緒に朝食を摂ってからティオフ。シーズン最終戦に挑む朝は、いつもとちょっと違っていたのも事実だ。

前週の「カシオワールドオープン」最終日に高山忠洋に敗れて2位に終わったものの、獲得賞金2000万円を上積みして国内賞金ランク22位に入り、今大会の出場権を滑り込みで獲得。しかし4年ぶりとなる東京よみうりでの戦いに戸惑いもある。そんな兄に妹は「私がキャディしたいくらい」。2008年までに同コースで開催されていた国内女子ツアーの「ワールドレディス」に出場していただけに、優作は自身のショットの好調さも含みながら「藍ちゃんが打ったら、9アンダーくらいいったんじゃ…」と、おどけた。

5歳離れた妹を、兄は「先生ですから」と言う。「海外で、あんなに小さい体で、第一線で戦っている。僕らも学ぶべきものはある」。技術同様に、ゴルフと向き合う姿勢を年の差を越えて尊敬のまなざしを送っている。その視線には、妙に歪んだお世辞や気遣いの意味もない。ただただ真っ直ぐだ。

前週、優作は3日目終了時に「藍ちゃんが来たらゴルフにならなくなる」と冗談めかして話していたが、この日は「先生に悪いところは見せられない」と上々の滑り出しで激励に応えた。藍も「いいプレーをしていましたね」と控えめながら笑顔を見せた。ところで「最終日は仕事なので(応援には)来ません」と言い残してコースを後にした藍。“師匠”不在で弟子のプレーは?前週に続き、悲願達成に期待がかかる戦いの結末は果たして・・・。(東京都稲城市/桂川洋一)

■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw