石川遼は5位フィニッシュ アジア3連戦の自己評価は
◇欧州&アジアン◇メイバンク選手権 最終日(4日)◇サウジャナG&CC(マレーシア)◇7186yd(パー72)
首位に2打差からスタートした石川遼は5バーディ、2ボギーの「69」で回り、通算16アンダー。最終ラウンドのスタート時と同じ5位タイでフィニッシュした。海外ツアー初優勝はお預けとなったが、課題と収穫を得て、アジアでの年明け3連戦を締めくくった。
前日のムービングデーに「63」をマークした石川は、アグレッシブな姿勢を崩さずに前半からコースを攻めた。出だし2ホールをバーディ、ボギーとした後、3番ではフェアウェイからの2打目で作った2.5mのチャンスを活かした。
9番で3mのバーディパットを沈め、2つ伸ばして折り返し。10番は1Wショットを左の林に曲げた後、フェアウェイに冷静に刻んでからパーを拾い、ガッツポーズを見せた。風が一層強くなったバックナインでスコアを伸ばし切れなかったが、14番をボギーとした直後の15番で、3mを決めてバーディとしたバウンスバックに胸を張る。「最後まで姿勢を変えずにやれた。今までにはあまりない感触。きのうのスコアが出たら、今までならそれも、順位も守りたくなっていた」と、保守的にならなかった18ホールに納得した。
2018年の初戦となった「SMBCシンガポール」は首位で進んだ決勝ラウンドで後退(16位)。前週の「レオパレス21ミャンマーオープン」は予選落ち。そして今週はギリギリで決勝ラウンドに滑り込み、最終日はタイトルが見えるところでプレーした。
成績の激しいアップダウンは、ショットの安定感を求めたスイングづくりが簡単でないことを物語る。アジア各国でも日々、わずかな前進と後退を繰り返した。「オフでやってきたことが、シンガポールでは“持たなかった”と感じた。今週は先週から修正できたと思ったら、またできてないなと思うこともある」。
それでも、目指す方向性は変わらない。日本ツアーの国内初戦・4月の「東建ホームメイカップ」を見据え、インパクトで体が早く開き、手元が浮く悪癖を取り除く作業を続けて行くつもり。「今やりたいスイングを『やりすぎた。左に行ってしまう!』と思ったのが、ピンに真っすぐ飛ぶときがある。『やりすぎた』が、むしろ良いスイングだったりする。その辺にギャップがある」。理想の動きを体に十二分に馴染ませる必要性を痛感している。
「4月までもっともっと練習が必要。『早く試合をやりたい』という気持ちで4月を迎えるのもいい。まだまだ完成度が低い」。何度も何度も「練習が足りない」と繰り返す石川の表情に前向きな姿勢が漂った。(マレーシア・シャーアラム/桂川洋一)