2019年 マスターズ

「マスターズ」王者に届かなかった挑戦者たちの言葉

2019/04/15 11:28
ラインを読むフランチェスコ・モリナリ

第83回「マスターズ」は今後、常にタイガー・ウッズのカムバックとして思い返される大会になった。だが、一時5人が首位に並んだ日曜日のバックナインは、全く異なるシナリオが描かれる可能性もあった。

ウッズ自身もそれを認め、「たくさんの選手に勝つチャンスがあった。リーダーボードは完全に団子状態で、皆が良いプレーをしていた。自分たち全員がコース上で経験した以上に劇的な展開はなかっただろうし、これで今、なぜ自分がはげてきているのか分かったよ」と冗談交じりに話した。

この日のチャレンジャーには2位タイに入ったヨーロピアンツアーメンバーのザンダー・シャウフェレに加え、同じく2位タイのダスティン・ジョンソンと昨年「全米オープン」と「全米プロゴルフ選手権」を制したブルックス・ケプカ、さらに1打差の5位タイで終えたトニー・フィナウフランチェスコ・モリナリジェイソン・デイ、そしてウェブ・シンプソンらがいた。

2度目の「マスターズ」でプレーしたシャウフェレは、アーメンコーナーでギアを上げ、13番のバーディで単独首位に浮上するも、終盤でスコアを伸ばすことができなかった。それでも「まずは、素敵な経験だった」と言った。

「自分のプレーについて悪くは思えない。僕は歴史を目撃したのだからね。アーメンコーナーや15番、16番といった歴史的なホールでタイガーが大歓声を巻き起こしているのを聞きながら終盤のホールをプレーするのは本当にクールだった」。

2度目の経験を「フルに満喫したと感じている」といい、「僕にも首位に立った輝かしい瞬間があったし、それが僕のチームや僕にとって『我々もここで優勝争いをし、この場所で勝てる』という証しになったと思う」。

モリナリは、前年の「全英オープン」覇者による5例目のグリーンジャケット獲得へ向けて主導権を握っているかに見えたが、ティショットがグリーン手前のレイズクリークにつかまった12番でダブルボギー。再びウォーターハザードに入れた15番でこの日2つ目のダブルボギーをたたき、メジャー2勝目の望みが断たれた。

モリナリは「(12番は)ショットの選択は正しかったのだが、十分に強く打てなかった。単純にそういうこと」と言った。15番は「左サイドからピンを狙った」といい、「おそらく悪いスイングと悪い判断だったと思う。ボールが枝にかすっていなければ結果がどうなったかは分からないけれど、あそこではグリーン中央を狙い、上がり3ホールで何か起こそうとすべきだった」。

昨年の大会デビューで10位タイに入り、今年はトップ5入りを果たしたフィナウは明らかにオーガスタナショナルGCを愛しているが、彼の望みも12番のレイズクリークに沈んだ。

「僕にとっては、この展開の一部となることができて楽しかった」とフィナウ。そして、「あのような雰囲気の中に居られたのはとても楽しかった。僕はこのために練習し、このためにプレーし、このためにトレーニングをしている。僕の番はやってくる。それは分かっている。僕はただ、その流れに乗り続ければいいんだ」。

今週は彼の幼い息子もコースに来ていたが、息子が成長したあかつきにはどう話すかと問われたフィナウは、「息子には、タイガーがメジャー15勝を果たしたとき、僕は最終組で一緒にいたと話すよ」と答えた。「タイガーのこと、彼が成し遂げたことについては語り尽くせない。彼がこの試合に関わっているのは素晴らしいことだ」と敬意を表した。

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