ゴルフワールドカップで注目の欧州勢3チーム
58回目の「ISPSハンダ ゴルフワールドカップ」の開幕を目前に控え、ヨーロピアンツアー・ドットコムでは特に注目すべき3チームをリストアップしてみた。
フランス ビクトル・デュビッソンとロマン・ランガスキュー
目下好調のビクトル・デュビッソンはいつでもチケット代に値するだけの選手であり、今週、オーストラリアのギャラリーは、ドバイからメルボルンのサンドベルト地域へと乗り込む欧州ツアー2勝の彼を見るだけで、元は取れるだろう。シーズン最終戦の「DPワールドツアー選手権」3日目に「64」をマークし、一躍優勝争いにからんだことで、デュビッソンは2度にわたり名誉ある「トルコ航空オープン」を制したときのリズムに乗っていることを観客に確約した。
そのドバイの最終戦で4位タイ、その前週の南アフリカでは3位タイに入っているデュビッソンは、最近チャレンジツアーからの昇格を果たした2015年の「全英アマチュアゴルフ選手権」王者のロマン・ランガスキューとタッグを組む。
将来を嘱望される21歳のランガスキューは、堂々のパフォーマンスを見せた2016年の「マスターズ」の直後にプロへ転向したばかりだ。その5カ月後の「オメガヨーロピアンマスターズ」で、初めて欧州ツアーでのトップ10入りを果たした。2人はともに観客を魅了するだけの手腕を持っており、フランスに初のワールドカップ制覇をもたらす可能性を十分に秘めている。
デンマーク ソレン・ケルドセンとトービヨン・オルセン
3打差で「トルコ航空オープン」を制したトービヨン・オルセンの勢いがあてにできるものであれば、デンマークは今週、侮りがたい存在となるだろう。アンタルヤで欧州ツアー4勝目を挙げたオルセンは、2日目に「62」をマークするなど、54ホールを「195」で回る無敵のゴルフを展開した。オルセンは、ファイナルシリーズ残りの2戦こそ、トルコの再現とはならなかったが、その2戦ではパートナーのソレン・ケルドセンがオルセンに代わって好パフォーマンスを見せた。
経験豊富な41歳のケルドセンは、「ネッドバンクゴルフチャレンジ」で16位タイに入ると、ジュメイラゴルフエステーツのアースコースでは4位タイに入った。最終戦で優勝した19歳年下のマシュー・フィッツパトリックから順位ではわずか3つ差で大会を終え、今季7度目のトップ10入りを果たしたケルドセンは、まだまだ若い選手たちと戦える力を持っていることを証明した。なお、ケルドセンは2016年の五輪ゴルフ競技にもデンマークを代表して出場している。
ウェールズ ブラッドリー・ドレッジとスチュワート・マンリー
過去の成功ほど心強いものはないが、2005年にワールドカップ制覇を成し遂げたブラッドリー・ドレッジと、今回コンビを組むスチュワート・マンリーはまさにその強みを持っている。11年前のポルトガルで、スティーブン・ドッドとタッグを組んだドレッジは、ウェールズに初のワールドカップタイトルをもたらした。現在、ツアーで最も安定した選手になったドレッジは、アイルランドとデンマークで2位に入った充実の一年を最高の形で締めくくるため、歴史の再現を胸に期している。
ドレッジのチームメートのマンリーも、欧州ツアーQスクールのファイナルステージを成功裏に終えたとあって、自信満々で大会に臨めそうである。37歳のマンリーは、PGAカタルーニャリゾートで30枠あったシード権に滑り込んだことで、後顧の憂いなく栄冠を目指してプレーに集中することができるだろう。