荒天の授けた”恩恵”に満足げなハリントン
「全英オープン」を襲った金曜の土砂降りに吉兆を感じたパドレイグ・ハリントン。この荒天により、彼は3度目のクラレットジャグ獲得のチャンスが開けるとともに、余分に眠りをむさぼることができたのである。
2度の「全英オープン」優勝を誇るハリントンは、午前7時38分にセントアンドリュースでの第2ラウンドをスタートする予定だったが、強風と豪雨のため、大会は3時間超の中断を余儀なくされた。
プレーが再開されると、ハリントンは改善したコンディションを活かし、4バーディを奪うなど2日目のラウンドを「69」として、通算3アンダーまでスコアを伸ばした。
それでもまだ首位との差は少なからずあるものの、ハリントンは、最悪のコンディション下でプレーしたのでは決して得られなかったチャンスに恵まれたと感じている。それに、朝5時に起きて準備し始めたハリントンは、この中断のため、また寝床へ潜り込むチャンスにも恵まれたのである。
コースのあちこちを水浸しにした激しい雨について問われたハリントンは「ちょうどその時は外にいたんだ。我々が練習レンジでウォームアップをしていたときに嵐がやって来た」と述べた。
「とはいえ、片時もティオフしないだろうなんて思わなかった。これは全英オープンなのだから」
「2002年のミュアフィールドで僕らがプレーしたときのコンディションを考慮すると、プレーすることになるだろうと思ったけれど、あいにくセントアンドリュースの町から流れ出た水が1番ホールのフェアウェイにたまっていたので、スタートすることはできなかった」
「僕らはハッピーだったよ。僕はツアーバンに潜り込み、1時間半ほど眠ることができた」
「僕らにとっては運が良かった。プレーが始まると、我々のフロントナインはずっと真っ直ぐな追い風だったんだ。あの中断は僕らに味方したね」
カーヌスティで開催された2007年の「全英オープン」を制したハリントンは、翌年のバークデールで「全英」連覇を果たすと、同年の「全米プロゴルフ選手権」も制したが、その後は今年3月の「ホンダクラシック」まで重賞大会での勝利から遠ざかっていた。
その比較的最近の成功が、この週末も優勝争いに加わろうというハリントンの望みを後押ししているわけだが、彼は今一度天候による手助けが必要になるかもしれないことを受け入れている。
43歳のハリントンは「『全英』は既に2勝しているから、(今回勝ったとしても)特に人生が変わるような勝利にはならないだろうけれど、終盤へ向け、パフォーマンスを上げて優勝争いに絡むことができればいいね」と述べた。
「まあ、成り行きを見守るけれど、何がどうあろうとも、僕には大きな週末が必要であることに変わりはないんだ。もし大会をリードしていたなら、美しいコンディションを望んでいたところだけど、首位に追いつくべく、あらゆることが起こってくれればと思っている」。