「マスターズ」のレコードホルダーたち
■ 「マスターズ」最多勝: ジャック・ニクラス(6回)
ジャック・ニクラスは1963年に「マスターズ」初優勝を飾ると、その後、1965年、1966年、1972年、そして1975年と4勝を挙げ、1986年に最後の優勝を遂げた。
タイガー・ウッズは2019年「マスターズ」で5着目のグリーンジャケットを獲得し、ニクラスの記録まであと1勝に迫っている。
大会4勝のアーノルド・パーマーは勝利数で3位にランクインしており、フィル・ミケルソン、ニック・ファルド、ゲーリー・プレーヤー、サム・スニード、ジミー・デマレは3勝を挙げている。
■ 「マスターズ」最年少優勝: タイガー・ウッズ
タイガー・ウッズは「マスターズ」に関する多くの記録を保持しており、その最初に達成した記録の一つは、セベ・バレステロス(スペイン)の記録を更新した最年少優勝であり、彼は1997年に21歳3カ月14日で「マスターズ」初優勝を果たし、1着目のグリーンジャケットに袖を通した。
ジョーダン・スピースは21歳で大会を制覇したもう1人であり、21歳8カ月のときに「マスターズ」でメジャー初優勝を果たしている。
■ 「マスターズ」最年長優勝: ジャック・ニクラス
ジャック・ニクラスは46歳2カ月23日にして、1986年の「マスターズ」でメジャー18勝目を挙げて6着目のグリーンジャケットを獲得したことで、大会史上最年長優勝記録を更新した。
■ 完全優勝者
これまで「マスターズ」で全4ラウンドをリードして優勝を遂げたゴルファーは、わずか5人しかいない。クレイグ・ウッド(1941年)、アーノルド・パーマー(1960年)、ジャック・ニクラス(1972年)、レイモンド・フロイド(1976年)、そして21世紀で唯一達成しているジョーダン・スピースがその5人目である。
各ラウンド後の首位タイを含む場合、2020年のダスティン・ジョンソンを含む何人かの選手が達成しているが、これはオーガスタ・ナショナルにより、ワイヤー・トゥ・ワイヤーの正式記録とは見なされていない。
■ 最多2位
ジャック・ニクラスは「マスターズ」最多勝記録のみならず、オーガスタにおける最多2位の記録も保持している。彼は2位に4回(1964年、1971年、1977年、1981年)入っており、さらにはベン・ホーガン(1942年、1946年、1954年、1955年)、そしてトム・ワイスコフ(1969年、1972年、1974年、1975年)も2位を4回記録している。
■ 最多トップ10
これまたジャック・ニクラスの保持する記録であり、「マスターズ」におけるキャリアで何と22回のトップ10入りを果たしており、これは2番目に多いベン・ホーガンの17回を上回る記録となっている。2021年大会出場者の中では、フィル・ミケルソンの15回が最高となっており、タイガー・ウッズは彼に次ぐ14回のトップ10入りを記録している。
■ 18ホール最少スコア
ニック・プライスは1986年の「マスターズ」第3ラウンドで、史上初となる「63」をマークし、オーガスタ・ナショナルのコースレコードを更新した。以後、このスコアをマークしたのは、1996年大会第1ラウンドのグレッグ・ノーマンのみとなっている。
■ 72ホール最少スコア
2020年11月、ダスティン・ジョンソンは4日間トータル「268」(通算20アンダー)をマークし、それまでの最少スコアを2打更新するとともに、史上初の通算20アンダー達成を果たした。
それ以前の最少スコアは、「マスターズ」における年少優勝記録の1位と2位であるタイガー・ウッズとジョーダン・スピースが保持していた。ウッズは初優勝を遂げた1997年に史上初めてトータル「270」(通算18アンダー)を達成した選手となり、スピースは2015年にその記録に並んだ。
■ 1ラウンド最多バーディ
2009年「マスターズ」の第2ラウンドで、アンソニー・キムは11バーディを奪い、1ラウンドの最多バーディ記録を更新した。それまでは1986年の第3ラウンドで「63」をマークした際に10バーディを奪ったニック・プライスが、20年以上にわたりこの記録を保持し続けた。
■ 大会最多バーディ
ジョーダン・スピースは、優勝した2015年大会の最終ホールでボギーを叩き、当時の72ホール最少スコアの更新こそ逃したが、彼はこの時、更新するのが極めて難しい記録を達成している。
スピースはこの週を通じて28バーディを奪ったのだが、これは2001年にフィル・ミケルソンがマークした25バーディより多く、ホセ・マリア・オラサバル(1991年)、タイガー・ウッズ(2005年)、ジャスティン・ローズ(2015年)、パトリック・リード(2020年)、そしてイム・ソンジェ(2020年)より4個多い記録となっている。
■ 最多連続バーディ
スティーブ・ペイトは1999年大会で、7番から7連続バーディを奪い、それまでデビッド・トムズ、ジョニー・ミラー、そしてマーク・カルカベッキアの持っていた6ホール連続の最多連続バーディ記録を更新した。
■ 1ラウンド最多イーグル
ダスティン・ジョンソンは2015年の第1ラウンドにおいて、2番、8番、そして15番でイーグルを奪い、「マスターズ」の1ラウンドで3イーグルを奪った史上初の選手となった。
■ 最多出場
アーノルド・パーマーによる50回出場は傑出した記録だが、最多出場記録はゲーリー・プレーヤーが保持している。1957年から2009年にかけて、プレーヤーは「マスターズ」に52回出場している。
■ 最多予選通過
「マスターズ」における最多連続予選通過記録は、ゲーリー・プレーヤーの23回で、最多予選通過記録はジャック・ニクラスの37回。
■ 最大差優勝
タイガー・ウッズが1997年に優勝した時、コンペティションを支配した彼は、2位のトム・カイトに12打差をつけて大会を制覇した。それまでは、1965年のジャック・ニクラスによる9打差が最大差優勝記録だった。
■ 54ホール終了時点からの最大差逆転優勝
1956年、ジャック・バークJr.は首位に8打差をつけられて最終ラウンドを迎えた。一時、彼は9打差を追う展開となるも、最終的には1打差で優勝した。
■ 最多連続アンダーパーラウンド
ダスティン・ジョンソンは2020年の「マスターズ」全4ラウンドでアンダーパーをマークしたことで、オーガスタ・ナショナルにおける連続アンダーパーのラウンド数を11とした(2019年の全4ラウンド、2018年の最後の3ラウンド)。
これでジョンソンは、それまでタイガー・ウッズが2000年から2002年にかけて記録した10ラウンド連続アンダーパーラウンドを更新したが、予選落ちを喫した2021年にこの記録は11ラウンドでストップした。
■ 最年長予選通過
1985年と1993年の「マスターズ」王者であるベルンハルト・ランガーは、2020年の「マスターズ」にて、63歳で予選通過を果たしたことで、最年長予選通過記録を更新した。
ランガーは4ラウンドで「68」「73」「73」「71」をマークし、通算3アンダーで29位に入った。彼はそれまでトミー・アーロンが2000年に打ち立てた記録を33日の差で更新したのである。
■ 最年少予選通過
2013年の「マスターズ」では、関天朗(中国)がわずか14歳5カ月18日で予選通過を果たし、最年少予選通過記録を更新した。
■ アマチュア最少スコア
長い歴史の中で、アマチュアによる印象的なラウンドは何度も目撃されてきたが、ケン・ベンチュリが1956年の第1ラウンドにマークした「66」が、いまだにオーガスタナショナルでのアマチュアによる18ホール最少スコアとなる。アマチュアによる72ホールの最少スコアは、チャーリー・コーの「281」で、こちらは1961年の記録となる。
■ ルーキー最少スコア
「マスターズ」デビューでの最少スコアは、2020年のイム・ソンジェ(韓国)による通算15アンダーとなっている。
■ ホールインワン
これまで85回開催されてきた「マスターズ」において、オーガスタではホールインワンは33回達成されている。大会史上初のエースは1934年大会のもので、アマチュアのロス・ソマービルが145ydの16番をマッシーニブリック(現在の7番アイアンに相当)の一振りでホールアウトした。直近では、2021年にコーリー・コナーズがパー3の6番で達成している。