ラームの対抗馬は? HNAフランスオープンの注目選手
今季「ロレックスシリーズ」第3戦の舞台となるのは、今年開催される「ライダーカップ」の舞台でもあるル・ゴルフ・ナショナル。同コースで「HNAフランスオープン」が開催されるのは今回で25回目となる。パリから1時間ほどの場所にあるこのコースは、終盤にタフなホールが連続することで知られており、特にウォーターハザードの張り巡らされた18番は難関ホールとなっている。昨年、17番と18番の難度はそれぞれ2位と1位となっており、優勝争いにドラマチックな結末を演出する可能性が高い。今大会のフィールドには昨年の「HNAフランスオープン」覇者であるトミー・フリートウッド(イングランド)を含む、6人の「ロレックスシリーズ」王者が名を連ねている。また、世界2位のジャスティン・トーマスも米国から初の「ロレックスシリーズ」参戦を果たす。木曜の開幕へ向け興奮の度合いが高まるなか、欧州ツアーのデータの達人は次の3人を注目選手として選出した。
本命:ジョン・ラーム
昨年、ジョン・ラーム(スペイン)ほど「ロレックスシリーズ」で成功を収めている選手はいない。同シリーズ4大会に出場したラームは、2勝を挙げたほか、10位タイと15位タイに入った。昨年「ドバイデューティーフリー アイルランドオープン」と「DPワールドツアー選手権」を制覇したラームは、「レース・トゥ・ドバイ」のランキングを大幅に挙げるとともに、「ロレックスシリーズ」で複数回優勝した唯一の選手となった。前述の10位タイはル・ゴルフ・ナショナルでのものであり、ラームにとって、ヨーロピアンツアー国際スケジュールのビッグイベントでの3勝目へ向け、その見通しは明るい。ラームは2017年大会の最終日にノーボギーのラウンドを完遂しているが、これはコースの難度を考えると、特筆すべきこと。グリーン上でも好パフォーマンスを見せ、昨年は各日ともにラウンドあたりのパット数でトップ16に入った。ティショットのストローク・ゲインド(+1.166)で5位、そしてティからグリーンのストローク・ゲインド(+1.662)で7位に入っている。今季は既に「スペインオープン」を制しているラームは、押しも押されもせぬ優勝候補筆頭である。
対抗:トービヨン・オルセン
今週はトービヨン・オルセン(デンマーク)の週となる兆候がある。彼は今月開催された「イタリアオープン」で2016年以来となる勝利を挙げ、「ロレックスシリーズ」王者の仲間入りを果たした。地元人気のフランチェスコ・モリナリ(イタリア)との終盤の優勝争いを制し、ヨーロピアンツアー5勝目。デンマーク人選手として史上2番目に成功した選手となった。自信とともにル・ゴルフ・ナショナルへと乗り込むオルセンは、過去に同コースで好成績を収めている。
昨年の3位タイを含む2度のトップ3入りを記録。初出場の2011年には単独2位に入っているが、成功の合間に予選落ちも喫した。それでも先週の「BMWインターナショナルオープン」で、最終日に「61」をマークして2位タイに入っているオルセンが好調の波に乗っているのは間違いない。
穴:ライアン・フォックス
ライアン・フォックス(ニュージーランド)は「ロレックスシリーズ」の戦い方を良く知っている。ニュージーランド出身の彼は、昨季同シリーズにて3大会連続のトップ6入りを果たし、年間ランキングで大幅なジャンプアップを見せた。さらに直近の「ロレックスシリーズ」イベントである「イタリアオープン」で8位に入るなど、ここへ来て好調を維持している。また、初出場となった昨季の「フランスオープン」の成績もツアー初優勝を目指す彼を鼓舞することになるだろう。フォックスの並外れた飛距離は、今季彼がいくつかのデータで上位にランクインする上での鍵となっている。ティからグリーンのストローク・ゲインド(+1.527)は11位、ティショットのストローク・ゲインド(+0.793)は8位、平均飛距離(314ヤード)は13位。ルーキーシーズンだった昨季、彼がシード権確保へ向け躍進を遂げるきっかけになったのはこの大会であり、大舞台に強い傾向もある。