アガディールで初日の主役を奪ったサディア
「ハッサンIIゴルフトロフィー」は初日を終え、今季のヨーロピアンツアー出場は僅か2戦目ながら輝きを放ったフランスのアドリアン・サディアが1打差の首位に立った。
昨季の「レース・トゥ・ドバイ」を127位で終え、今季ヨーロピアンツアーのシード権を失ったサディアは、2015年に入り、今大会前に唯一出場したヨーロピアンツアーの「ヨハネスブルグオープン」では予選落ちを喫していた。しかしながら、ゴルフ・ドゥ・パレロイヤルの1番ホールでチップインイーグルを奪った22歳のサディアは、その後5つのバーディを奪い、ノーボギーの7アンダー「65」で初日をラウンドした。
その1打後方には、15番から3連続バーディを奪ったものの最終ホールでボギーを叩いて初日を「66」としたイングランドのダニエル・ガーント。首位から2打差の5アンダーには、来月の「マスターズ」出場へ向け今週は好成績が求められる南アフリカのジョージ・クッツェー、スコットランドのデービッド・ドライスデール、そしてイングランドのクリス・ウッドがつけている。
「とても嬉しいです。ここでプレーする機会を与えてくれたことに感謝しています」とサディア。彼は月曜日に出場権を得たため、招待状を返還している。
「ここは本当に信じられない場所です。今日はとてもソリッドなプレーができました。1番でチップインイーグルがあり、6番でもチップインがありましたので、良いスタートが切れましたし、その調子で行きました」。
「ヨーロピアンツアーでプレーする機会はとても少ないので、今年はチャレンジツアーに集中します。先週はマデイラでプレーしたのですが、大会は中止になったものの、風の中で良いプレーができていましたから、今週へ向けて良い感じになっていました」。
「あと少しで自己ベストのラウンドでした。去年、カタールで「64」を出しており、その時は8アンダーでしたから、今日のラウンドは自分のベストのラウンドの一つですね」。
「優勝することができれば、今はチャレンジツアーでプレーしているので、今後のスケジュールが変わってきますが、とにかく今は1打1打集中し、その上でどうなるかということですね」。
「マスターズ」出場を目指すクッツェーとマルセル・シームはその望みをつないだ。この2人が今季最初のメジャーが開催されるオーガスタナショナル行きの切符を手にするには、モロッコでの優勝が必須条件となっている。
南アフリカのクッツェーは「67」で初日をラウンドし、シームはその1打後方につけた。シームは、初日からの逃げ切りで今大会を制した2013年、その優勝により、「マスターズ」出場が確約される公式世界ゴルフランキングのトップ50入りを果たしたかにみえた。しかしながら、数時間後、「ヒューストンオープン」の結果がランキングに反映されると、34歳のシームはわずか0.03ポイント産の51位にランキングされ、「マスターズ」出場は夢に終わったのである。
「今週は自分にとって大きな週だし、4アンダーは良いスタートだ」とシーム。「『マスターズ』でプレーすることを考えると胸が躍るね。まだ出場したことがないんだ。2年前はここで優勝したのに、それでも出場できなかった。あれにはちょっとガッカリしたね」。
「今日やったことを続けるだけだ。馬鹿げたミスを犯さないよう励むよ。僕には経験があるし、このゴルフコースのことは知っているから。バーディは十分に奪えると思う。あとはミスをなくすだけだ」。
今大会のフィールドで、オーガスタ行きが念頭にあるのはシームとクッツェーだけではない。アレクサンダー・レビー、アンディ・サリバン、トミー・フリートウッド、そしてロス・フィッシャーは、来週月曜の期限を前にトップ50入りを果たす可能性を残している。
世界54位のレビーは2人が並ぶ2位タイかそれ以上の成績が必要条件。サリバンは昨年に続く単独2位か、あるいは今大会でヨーロピアンツアー3勝目を挙げることにより、61位からのジャンプアップを果たすことができる。
フリートウッドとフィッシャーは優勝が必要な状況だが、フィッシャーの方は出だし3ホールで2つのダブルボギーを叩く散々なスタートとなり、初日をディフェンディングチャンピオンのアレハンドロ・カニサレスと同じ「77」でラウンドしている。
フリートウッドは2アンダーの「70」、レビーはイーブンパー、そしてサリバンは2オーバーでそれぞれ初日をラウンドした。