ライダーカップ出場のチャンスを高めるドナルドソン
劇的な展開となったプラハでの「D+D REALチェコマスターズ」初日は、堂々たるプレーを披露したジェイミー・ドナルドソンが単独首位に立ち、「ライダーカップ」出場への道筋を形作った。
グレンイーグルスでの隔年開催の大会へ向け、欧州代表チームの自動選出圏内につけてはいるものの、まだその出場枠を確定させていないウェールズ出身のドナルドソンは、アルバトロスゴルフリゾートを6アンダーの「66」でラウンドし、スウェーデンのミカエル・ルンドベリに1打差をつけて首位に立った。
ポール・マッギンリーのチーム入りへ向け直接のライバルであるスコットランドのスティーブン・ギャラハーとオランダのジュースト・ルイテンは共に2アンダーの「70」で初日をラウンドしている。
この大会で7位以内に入れば「ライダーカップ」出場がほぼ確定するドナルドソンは、「良い1日だった」と語った。
「良いプレーをした。序盤は風が強くて厳しかったけれど、終盤に向けて風はやんだ。ただ、あの終盤のホールはとてもタフだから結果には満足だね」。
「ちょっと風邪気味だけど、早く乗り切らないとね。風邪をひいている割に、気分はそこまで悪くないけど、ここへ来て良いプレーができており、明日も同じようにプレーしないとね」。
「今週すべきことはわきまえているから、あとはそれが実践できるかどうかの問題だね。この大会も他の大会同様、できる限りのプレーをして優勝を狙うだけだよ。僕はそれが狙える立場にいる。今日と同じプレーがあと3ラウンドできればいいだけだよ」。
「意識し過ぎてはいけない。他の週と同じように、1打1打しっかりとプレーするようにしないとね。ここでの結果には他のことにも影響を及ぼすけど、それでもいつも通りのプレーで乗り切らないと行けないんだ」。
4バーディを奪った前半を「33」でラウンドしたドナルドソンは、ガードバンカーへ入れた11番でこの日2つ目のボギーを叩いた。
しかし、続くロングホールの12番でバーディを奪うと、2打目をピン側2.5メートルにつけた14番でもバーディを奪い、最終ホールでは3メートルのバーディパットを決めるなど、上がり2ホールで連続バーディを奪ったドナルドソンは2日目を首位で迎えることとなった。
2ヶ月前にオーストリアで勝利を挙げたルンドベリは、13ホールを終えた時点で5アンダーまでスコアを伸ばすも、その後はパーが続き「67」で初日を終えた。
「とても安定したソリッドなプレーができた」とルンドベリ。「ミスは1回きりだったし、幾つか良いパットを決めたから、これ以上のプレーというのはそうあるものじゃないよ」。
「今年は新しいコーチのもと、大きな前進を遂げたんだ。ゲーム自体が断然安定し、コントロールできるようになってきた。僕らは全てをよりシンプルに捉えており、僕は現状にハッピーなんだ。いい気分だね」。
「一番難しいのはシンプルさを留めるところだ。不必要な動作を全て排除し、シンプルさを保たなければならないのだけど、これがそんなに簡単じゃないんだ」。
12番でチップインを決め、4ホール連続バーディを奪った米国のピーター・ユーラインがそのまま単独首位に躍り出るかに見えたが、彼はショートホールの16番でトリプルボギーを叩いて2アンダーまで後退してしまった。
イングランドのケネス・フェリーは大会出だしの6ホールで連続バーディを奪う更に壮観なチャージを見せたのだが、7番でボギーを叩くと、その後も2つのボギーを叩き、初日を「68」として10人が並ぶ3位タイで2日目を迎えることとなった。
「練習ラウンドではバーディが出なかったけれど、今日の序盤に一気にやって来たみたいだね」と戯(おど)けるヨーロピアンツアー2勝のフェリー。彼は2年前にシード権を失っており、この大会は招待枠で出場している。「6連続バーディのスタートはいつだっていいものだよ」。
「全て真っ当なチャンスだった。グリーンを狙えるショットからチャンスへと繋げたんだ。全体的にはそこまで悪くなかった。6アンダーで終われなかった、あるいは更にスコアを伸ばせなかったことはがっかりだけど、コースはタフだったからね。間違いなく簡単なコースじゃないよ」。
「(出だしの6連続バーディについては、夢じゃないかと)我が身をつねったほどだ。パー5でのバーディ。これはいいとしよう。2番では2打目をウェッジで打ってバーディ。3番ではホールインワンを仕損なってのバーディ。5番ではウェッジで寄せ、6番ではロングパットを決めてバーディを奪ったんだ」。
「ただ、結局はどこかで終わりを迎えるということなんだ。残念ながら18ホールあれを続けるのは無理な話だからね。ちょっと現実離れしていたけれど、ああいうのはいいものだし、貰える時に貰っておかないとね」。
「フロントナインは2打目をウェッジで打てるホールが多くて、ウェッジが冴えていてパットも決まればスコアを伸ばすことができるけれど、バックナインはいささかトリッキーだね。嫌な感じのバンカーが増えてくるんだ」。
「ご存知の通り、僕は2年ほど粗末なシーズンを送っており、シード権も失い、取戻せないでいるから、プレーできる大会は全て出場している。過去の優勝者として出場したり、招待枠だったりね。その原因は自分にあるわけで、2年前に十分なプレーができなかったり、Qスクールで良いプレーができなかったりして、未だに今の状況から抜け出すのに必要な安定した結果が残せないでいるんだ」。
「今年は、自分がまだちゃんとプレーできるんだというのが証明できて良かった。オーストリアでは2日ほどまずまずのプレーができたし、バルセロナでは1ラウンドまあまあのプレーができた。このレベルでもまだやって行けると分かったのが良かったね」。