マデイラでのツアー2勝目を目論むフィッシャー
オリバー・フィッシャーは今季これまでの好調を持続し、今週の「マデイラアイランドオープン」でヨーロピアンツアー2勝目を達成したいと願っている。
上々の2014年シーズンを送るイングランドのフィッシャーは、現在「レース・トゥ・ドバイ」で48位と、景観の美しいポルトガルのマデイラ島にあるサント・デ・セラGCに集う出場選手の中では最もランキングの高い選手となっている。
今季これまで9大会に出場した25歳のフィッシャーが予選通過を果たせなかったのは僅か1戦のみであり、プレーオフの末にトーマス・エイケンに敗れた「アフリカオープン」ではツアー2勝目にあと僅かというところまで迫った。
フィッシャーは先月の「NHコレクションオープン」で6位タイに入ったため、2013年シーズンの振るわなかった成績により今季は出場できる大会が限られているにもかかわらず、既に2015年シーズンに向けたシード権確保を確かなものにしている。
今季の好調に、当然のことながら大会へ向け自信を覗かせるロンドン出身のフィッシャーではあるが、過去に一度出場し、予選落ちを喫したコースでのプレーとあって、油断大敵であることは重々承知している。
「良い1週間になるでしょうね」とフィッシャー。彼は、ポルト・サントで開催された2010年のこの大会では2位に入っている。「ここで18ホールプレーしましたが、コースは硬いですね。ただし、ここマデイラでは天候が読めません。海面レベルでは素晴らしい天気にもなりますが、ここまで上がってくると、風も強くなりますし、寒くもなりますから」。
「我慢の1週間になるでしょうし、ベストを尽くし、起こったことは起こったこととして受け入れないといけません。起伏に富んでいてかなりうねっていますから、良いショットを打っても運を必要とすることもありますし、悪いショットでも結果オーライということもありますから忍耐が鍵になります」。
「でも今週は楽しみにしています。ありのままを受け入れてエンジョイし、自分のベストを尽くすだけですよ」。
2005年には僅か16歳にして「ウォーカーカップ」に出場し、同大会の最年少出場者になるなど、かつては将来を最も嘱望された若手アマチュア選手の1人として世界にその名を知らしめたフィッシャー。その彼は今、現在の好調と安定性こそが、自身をプロのキャリアにおける新たな高みへと押し上げると確信している。
「これまでのところ、自分のシーズンには満足しています」と、2011年の「チェコオープン」王者は述べた。「安定感が出てきましたし、それが重要ですね。ドライバーは向上しましたし、ロングゲーム全般も良くなりました。ここ数週間はパットも良くなり、更に安定感が増してきました。このように安定したプレーができていると、練習レンジで打ち込みをしたり、ゲーム運びについて取り組んだりするのに必要以上にエネルギーを浪費しなくて済むように感じますね」。
「今では、四六時中自分のスイングについて考えるのではなく、コースでのプレーや戦略、そして何処を狙って打つのかと言ったことに焦点を絞れます。精神的に良い感じですし、素晴らしいプレーをするのにそう遠くないところまで来ていますよ」。
「全てが正しい方向に行っていますし、一貫性がより良い結果への鍵となっています。今年は良いスタートが切れましたし、いつもこの時期になると目標が再設定されてきました」。
「序盤に良い結果が得られましたので、これからはヨーロピアンツアーに専念することができます。仮に、ここまで良いプレーができていなければ、今季残りはチャレンジツアーに集中せざるを得なかったかもしれません」。
「ただ『レース・トゥ・ドバイ』を高い順位で終えることこそが主な目標なのです。順位を上げる上で更に賞金を稼ぐ必要があるかもしれませんが、今年は後半に向けランキングを上げて行けたらいいですね」。
「結局のところ、自分がこの世界でやりたいと思っていることを為せるだけの力量を備えているのは分かっているのです。それはただ、正しいところで自分のゴルフができているか、目標を達成する上で必要なだけの一貫した安定性があるかどうか、ということだと思います」。
「自分のプレーができなければ良いスコアは出ません。コース上で苦悩しながら4アンダーや5アンダーで回るのは無理な話です。ここにいる人は皆上手なわけですから、あとは如何に自分を信じてトライし続けることができるかということですし、やり続けた先に何があるのかは誰にも分かりませんからね」。
フィッシャーは、フンシャルの街の近くにある、島の中では比較的標高の高い所に造られたコースを舞台に、手強い出場者たちとの戦いに挑む。その出場者の中には、かつて「ライダーカップ」でプレーッしたフィッシャーとは同名のオリバー・ウィルソンが含まれる。
今大会には、ヨーロピアンツアー史上初となるポルトガル人による母国優勝を成し遂げた2012年のこの大会がキャリアの転機となったリカルド・サントスが大会への復帰を果たすほか、昨年はこの地でトップ10入りを果たした同胞のジョゼ・フィリペ・リマも力強いパフォーマンスを披露すべく息巻いている。