悠然と独走状態に入ったカニサレス
「ハッサンIIゴルフトロフィー」は8年振りの欧州ツアー優勝を目指すアレハンドロ・カニサレスが後続に6打の大差をつけて最終日へ臨む展開となった。
ゴルフ・ドゥ・パレロイヤルでの3日目を「69」でラウンドしたカニサレスは、2位につけているイングランドのセベ・ベンソンとの差を前日までの1ストロークから6ストロークまで広げた。ベンソンの1打後方には3日目を唯一のノーボギーとなる「67」でラウンドしたオランダのロバート・ヤン・ダークセンがつけている。
「今日は難しかった。特に前半はピンが寄せづらいところに切ってあり、中には2パットで上がるのさえ難しいところもあった」とカニサレス。彼は2006年の「ロシアオープン」で欧州ツアー参戦僅か3戦目にして優勝を飾って以来、ツアーの優勝から遠ざかっている。
「良いラウンドだった。好調を持続できたね。今日はちょっとだけティショットが冴えなかった。ミスしたショットはほとんど右へ曲げていたから、修正すべき点はあるけれど、60台で回れたので全体的には満足しているし、できたら明日もこの調子で行きたいね」。
「20アンダーまで伸ばそうと思い、それに向けて集中した。前を見据え、後ろを振り返らないようにね。終盤に入ったところでショットが右へ逸れ始め、バックナインではパー5の利点をフルに活かせなかったのが残念だね」。
優勝の行方は自分次第か、と問われたカニサレスは、「明日は、落ち着いて自分のリズムを保ち、一打一打集中して打てたらいいね」と答えた。
「ゴルフでは何が起こってもおかしくないからね。皆、ここのコースでは好スコアが出せることをわきまえているから、とにかく前進し続け、全てのショットでベストを尽くすのみだよ」。
4番でボギーを叩き、5番でバーディを奪ったカニサレスは前半を「36」で折り返し、1番でボギーを叩いた後は全てのホールをパーとしたベンソンとの差を2打に広げた。
後半に入り、カニサレスはパー5の10番でグリーンの縁から2パットでこの日二つ目のバーディを奪ったのに対し、ベンソンは2打目をグリーン右にあるウォーターハザードの水際の泥に打ち込んでしまい、このホールをボギーとした。
ベンソンは続く11番でバーディを奪って盛り返しを見せたものの、パー3の12番ではティショットをガードバンカーへ打ち込み、このホールではなんと6打のトリプルボギーを叩いて手痛い代償を払わされる格好となった。
27歳のベンソンは、そのバンカーからのリカバリーショットを大きく打ち過ぎてしまい、ボールはグリーン逆側の水辺へと吸い込まれてしまった為、ペナルティードロップを強いられ、そこからさらに3打を要してしまったのである。
一方、13番と14番で連続バーディを奪ったカニサレスはこの時点でヤン・ダークセンには7打差、ベンソンには8打差をつけ悠然と首位を独走した。しかし、ベンソンは2打目をショートしてグリーンを捕え切れなかった最終ホールではボギーを叩いてしまったものの、15番から3連続バーディを奪う見事な応戦を見せ、なんとか6打差まで縮めて3日目を終えた。
チャレンジツアーでは3勝を挙げながらも、欧州ツアーでは未勝利のベンソンは、「今日はボールをピンハイにつけるのにさえ苦しんだ」と述べた。
「残り5、6ホールとなってからの盛り返し方には満足しているから、明日へ向けポジティブな要素もあるんだ」。
「僕は良いプレーができていない時でも、自分のベストなゴルフはすぐそこまで来ていると分かっているから、今日は我慢するよう心掛けた。明日があるし、気力は充実しているよ」。
「フロントナインでアレハンドロの2、3打後方に迫れるかどうかが鍵になるね。あそこがこのコースの一番難しいところだからね」。