マデイラでのマジックを期待する“ポルトガルマスター”のルイス
「マデイライランドオープン」が催される豪華な敷地は、ポルトガル本土の南海岸から約600マイル程の場所に位置する。2011年大会の優勝が記憶に新しいトム・ルイス(イングランド)は、今年も熟知したコースでの大会に自信を兼ね備えて臨む。
ルイスが注目を浴びるようになったのは、若干20歳で出場した「ポルトガルマスターズ」でのおとぎ話のような優勝がきっかけだった。それは、2011年の「全英オープン」のわずか3ヶ月後で、その「全英オープン」の初日にアマチュア最高となる5アンダーの「65」でラウンドをしたことが注目されるきっかけとなった。
22歳となったルイスは、自身初となるクラブ・デ・ゴルフ・ド・サント・デ・セラで開催される「マデイライランドオープン」でポルトガルの地に戻ることを心待ちにしている。「ここに来たのは初めてですが、素晴らしい場所だと思います」とウォーカーカップを制したルイスは述べた。「私の家族も応援に駆けつけてくれますし、この1週間の天候が良くなる事を願っています」。
「多くの選手達もどこかで成功して辿り着いた選手ばかりですし、個人的にヨーロッパは好きです。欧州ツアーの開催地ではそれぞれ異なった文化に触れる事が出来ますし、特にポルトガルのような場所では親切な人や美味しい食べ物もあり、全てにおいて落ち着いてプレーできる環境にあります」とルイス。「ポルトガル本土からの距離が気になりましたが、景色は最高です。自分のプレースタイルには合いませんが、コースも本当に綺麗です」。
ルイスはマデイラに来る前に、3週連続の予選落ちを経験した。しかし、2011年に制した「ポルトガルマスターズ」のようなプレーができれば、この大会がルイスのキャリアでも大変重要な分岐点となるとルイス自身も信じている。「今の自分には満足していません」とルイス。「私にとって、2011年からは急な習熟が続きました。殆どの選手は、成果を上げながら欧州ツアーに参加し、そして次のステップアップに繋げます」。
「しかし、私の場合は偶然にもその1週間で良いプレーができ、早い段階での優勝を経験する事ができました。しかし、4日間を通して良いプレーが出来たのは、2011年大会が最後です。私のスコアを見れば歴然ですが、1日目と2日目には良いプレーができ、残りの2日でスコアを落とす事が多くありました。それは、今大会に向けて私が改善しなければならない事だと思います」。
「もちろん、ここ最近はもっと良いプレーができたと思う事もありますが、ビールの泡が上に向かってくうように、時が来れば私もトップに立つ事ができると思います。それが今年になるか、来年になるか、数年後になるかも知れませんが、その時が来る頃にはプレーにも迷いがなくなると思います」と続けた。「今は自分のできる事に集中し、回りの選手よりも努力する時期だと思います。それができれば良い結果に繋がると思いますし、それができなければ上位争いはできないと思います」。
「今週は少し自信があります。パットの調子も良くなっているので、パット次第ではチャンスがあるかもしれません。ロングゲームには自身がありますし、チャンスがあれば大会を制する事もできると思います。その為には、自分を信じてプレーする事です」と述べた。
去年大会を制し、『Sir Henry Cotton Rookie of the Year』賞を受賞したリカルド・サントス(ポルトガル)は、今年も優勝候補の1人である。
ポルトガル人では初めて大会を制した、地元ヴィラモウラ出身のサントスは、今大会でも去年に続くヒーローになる事を狙っている。
今大会には、多くの本大会の優勝者が名を連ねており、2009年のタノ・ゴヤ(アルゼンチン)、2008年のアラステア・フォーサイス(スコットランド)、2007年のダニエル・バンシック(アルゼンチン)、2005年のロバート・ジャン・ダークセン(オランダ)、2003年のブラドリー・ドレッジ(ウェールズ)、2000年のニクラス・ファス(スウェーデン)、1996年のヤルモ・サンデリン(フィンランド)、1995年のサンティアゴ・ルナ(スペイン)が今大会のトロフィーを懸けて戦う。
トーマス・レベ(フランス)、ソレン・ハンセン(デンマーク)、オリバー・ウィルソン(イングランド)の「ライダーカップ」に出場した3人に加え、ニック・ドハティ(イングランド)、ロバート・ロック(イングランド)、グレゴリー・ボーディ(フランス)の欧州ツアー歴代優勝者も今大会の出場に名を連ねている。