見事トップへ復活したスターン
リチャード・スターンは、ケガによる悪夢と苦闘の日々を乗り越えて、「ヨハネスブルグオープン」にて4年振りに欧州ツアーチャンピオンとなった。そして、この優勝は南アフリカ出身の仲間達が彼に大きなモチベーションを与えてくれたお陰だと打ち明けた。
2008年12月に母国で優勝を果たし、一時は世界ランク29位にまで上ったスターン。しかし、それ以降は、背中の関節炎が原因で2010年、2011年と殆ど試合に出場できず、ランキングはトップ1000位外にまで落ちた。
先週開催された「オメガドバイデザートクラシック」を折り返しまでリードし、最終的にステファン・ギャラハーに続く2位で終えた31歳のスターンが、もし王座奪還への見込みを前に尻込みしていたとしたら、昨日までトップを分け合った彼の友人でもあるトレバー・フィッシャー・ジュニアに、本日このような大差をつけることはなかっただろう。
5年前この地で優勝したスターンが、ロイヤルヨハネスブルグ&ケンジントンゴルフクラブをボギーなしの「64」でラウンドしたのに対し、フィッシャー・ジュニアは序盤こそイーグルを奪ったが、徐々に躓きを見せた。
27アンダーという合計スコアは、同大会の記録となり、スターンのケガからの復帰に大きな影響を与えた仲間の一人である2位のチャール・シュワルツェルに7打差をつけた。
先週までの直近の欧州ツアー51試合の中で、南アフリカ出身選手が優勝したのは実に11回を数えるが、この事実はスターンがケガから復帰を果たし、最高のコンディションを取り戻す上で、大きな後押しとなった。
「プレーできない期間がこんなに長くなるとは思ってもいませんでした。6ヶ月だけのはずが1年、そして2年かかりましたから」。
「全身全霊でゴルフに打ち込んだ末に、怪我での欠場を余儀なくされましたので、もう勝てないんじゃないかと思ったこともありました。背中の痛みがあまりに激しかったので、一時期は、もう一生ゴルフができないのではないかとも思いました。でも今、できるんだと分かりました」。
「たった一つ私を頑張らせてくれたもの、それは南アフリカ出身選手たちの活躍です。多くの試合で彼らは勝ち続けていました。その姿を見て、彼らに出来る事は、自分にもできると思えたんです」。
タイガー・ウッズが2002年に達成して以来初となる、72ホールで争われる欧州ツアーの大会で1ボギーという成績を残したスターンは、レース・トゥ・ドバイ(欧州ツアー賞金ランキング)のトップに立ち、月曜に更新される公式世界ゴルフランキングでは60位以内に上昇する。
この栄光は次の週へ、次の月へと続いて行くだろう。
トップ50の選手は自動的にメジャー大会へ選出される。それは、完調に戻ったように見える彼にとって、最高の発奮材料となることだろう。
「メジャーに戻りたいですね。そこが私のプレーしたい場所ですから」とスターンは述べた。
「大きな一年です。素晴らしいスタートが切れましたし、このまま続けていきたいです」。
「今日を含め今週は非常に良いゴルフができました。私の選手歴の中で、今日のファイナルラウンドはベストと言えますね。最高の締めくくり方でした」。
シュワルツェルの「66」は、彼の順位を、本日「64」のリカルド・サントス、フェリペ・アギュラーそしてジョージ・クッツェーと1打差の単独2位へと押し上げた。