ツアー中断にも前向きな姿勢を貫くペレス
新型コロナウイルスのパンデミックによりゴルフ界が活動停止を強いられるなか、ビクトル・ペレスは前向きでいる決意を固めている。
フランス人選手は、新型コロナウイルスの感染拡大によりスポーツイベントが軒並み急停止したとき、好調を極めていた。
しかし今、世界40位は「マスターズ」デビューと「ライダーカップ」初出場に待ったがかかり、希望の兆しを見出すのが難しい状況に置かれている。
昨年9月に「アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権」でヨーロピアンツアー初優勝を果たしたペレスは、その後の6大会でも、「ロレックスシリーズ」2大会で2位に入ったほか、「WGC HSBCチャンピオンズ」で4位タイと、好成績を維持した。
これにより公式世界ゴルフランキングでトップ50入りを果たした27歳は、オーガスタナショナル行きのチケットを手にするも、世界中が一丸となって健康危機に立ち向かうなか、シーズン最初のメジャーは延期となり、その他全てのヨーロピアンツアー主催大会も、少なくとも5月28日まで延期または中止となることが決まった。
「健康はどの大会よりも遥かに重要だけど、難しい時期に直撃してしまったと思う。というのも、もしこれが12月に発生していたとしたら、幾つかの大きな大会はここまで影響を受けていなかったかもしれないからね」とペレスはPA通信社に語った。
ガールフレンドで歯科医学生のアビゲイルさんが暮らすダンディーを本拠地にしているペレスは、2週間前にマネージャーとジョージア州を訪れ、少なくともオーガスタナショナルでプレーをする機会は得られた。
そして彼は、1979年のファジー・ゼラー以来となる「マスターズ」初出場でのグリーンジャケット獲得へ向け、大会の日程が後倒しとなることが彼にとって有利に働くことを望んでいる。
「もちろん皆と同様、がっかりしている」とペレス。「何年もかけてようやく出場権を手にした選手も何人かいただろうに、大会が実現しなかったんだ。でも、僕はあの大会にはこれから20年間は出場するつもりでいるんだ」
「大会は開催されるはずだし、僕の出場権はまだ有効だから、僕が大会に出場することは間違いないんだ。それに、今回のことをアドバンテージに変えられるかもしれないとも思っているんだ」
「大会は皆が慣れ親しんできた時期とは全く違う日程で開催されるかもしれず、そうなれば、コースは皆が知っているコースとは少し違ってくるんじゃないかと思う。初出場の僕にとって、それはアドバンテージになり得るよね」
「僕らは家を借りたので、ガールフレンド、エージェント、そしてトレーナーと一緒に行く予定だったんだ」
「初めてのメジャーなので、できる限り少人数で行こうと思っていたんだ。ストレスのレベルはこれまでにないほど高くなるだろうから、プロになってからずっとそうであったように、できる限りゴルフ関連の人員のみにしようと思っていた」
ペレスは現在、「ライダーカップ」欧州代表の自動選出圏内につけており、仮に9月にウィスリングストレーツで米国代表と対峙することになれば、そこでのストレスレベルも天井知らずの高さとなる。
ペレスは、パリのル・ゴルフ・ナショナルで開催された2018年大会で観客として大会の雰囲気を味わっており、タイトル防衛を目指す欧州代表の一助となれる機会を享受している。
「欧州の人間として、大きな誇りを持っている大会だし、とても楽しみにしている」とペレスは述べた。
「(ツアーの)大会の中止が僕にとってアドバンテージとなるのか、そうでないのかは、時間が経たないと分からない。分かっているのは、とにかく最終的には最高の選手が代表に選ばれるということであり、あとは準備を整え、本番で遂行できるかどうかの問題なんだ」
「パリの雰囲気は素晴らしかった。米国の地へ赴いてカップを防衛するのは大きな試練となるだろうけれど、最高の挑戦だよね」