【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全米OPレポート2013<4>】
長い、長い1日が終わりました・・・。「全米オープン」初日の藤田さんは、朝の8時17分に11番ホールからのスタートでした。
なぜ10番からスタートしないのかと言うと、コースの設計上、10番ホールのティグラウンドまでは凄く距離があって、歩いていくのはちょっと厳しいからなんです。練習場が、隣接している「メリオンゴルフクラブ 西コース」にあるため、1番ホールに向かうのにもシャトルバスを利用して、練習場から約15分もかかるんですよ。
そんなこんなで、余裕を持ってゴルフ場に行かなければいけないため、今朝は5時半にレンタルハウスを出発。ゴルフ場のプレーヤーズラウンジでご飯を食べて、練習して、シャトルバスに乗って、さあいよいよ今年の全米オープンがスタートするぞ!って、意気揚々と出て行ったら、スタートして2ホール目のティショットを打ったところでサイレンが鳴りました・・・。
雷雲接近のサイレン。まあこれは予報通りだったので仕方ないと言えば仕方ありません。シャトルバスで、朝ご飯を食べたプレーヤーズラウンジに戻り待機していると、凄い雷と共に大雨が降ってきましたよ。今日はもうこのまま出来ないんじゃないかっていう情報も飛び交ってましたが、3時間の休憩後、すっかり雨は上がって晴れ間が見えてきたんです。
再開は12時10分頃。朝はヒンヤリして少し寒かったのに、一気に気温が上がり、コース内はサウナの中にいるように蒸し暑かったです。12番ホールのセカンドショットから再開して、迎えた次の13番ショートホール。ピンまでは104ヤードのフォローでした。藤田さんが「110ヤードのところから戻せばちょうどいいな!」って言ってアプローチウエッジで放ったショットは、110ヤード地点にキャリーして計算通りのバックスピン。
テレビでご覧になった方もたくさんいらっしゃるかとは思いますが、ボール1個分カップの左を通過してホールインワンにはなりませんでした。惜しかったなあ。バックスピンでカップにボールが向かって行く時のあのギャラリーの大歓声は一生忘れられないですね。でも入って欲しかった。入っていたら藤田さんの名前はこの先永遠に全米オープンの歴史に刻まれたのに。
難しいインコースを17番まで1オーバーで耐えてたんだけど、18番で3パットのダブルボギー。少し嫌なムードになりかけたけど、次の1番でバーディを奪い再び良い雰囲気に。でも続く2番のロングホールで、僕の痛恨のジャッジミスから痛過ぎるボギーを叩き、そこからはしんどかったですね。
藤田さんのショットも全体的にはそんなに悪くは無かったんだけど、短いホールでティショットをラフに入れる事が多かったから、精神的に常にギリギリの状態でやらざるを得なかったんです。2年前の全米オープンでも僕のジャッジミスからスコアを崩して行っただけに、同じミスは絶対にしたくなかったんだけど、やってしまった事はもうどうしようもないので、明日こそは良い仕事が出来るように全力を尽くします。
コースチェックの甘さが、こういう結果を生む事をまた痛感しました。午後組がほとんどホールアウト出来ない中で、藤田さんの暫定順位は133位。厳しい状況だけど、藤田さんの力を出し尽くせば必ず予選は突破出来るはず。明日は夕方のスタートだからきっと全部は回りきれないだろうけど、少しでも上を目指して頑張ってきます。朝5時半に出て、帰ってきたのが夜の8時前。長かった・・・。
疲れたけど決勝ラウンドへ行って、もっともっと疲れ果てるまでコースと勝負したいな。