若き賞金王の誕生に沸いた一方、手嶋は失意の帰国/2007年欧州男子レビュー
2007/12/24 08:32
今季の欧州ツアーは、日本人としてただ1人参戦していた手嶋多一に注目が集まった。昨年11月に行われた最終予選会で上位にランクインし、同ツアーの出場権を獲得。アメリカへの留学経験もあることから語学上の不安もなく、その活躍に高い期待が寄せられていた。しかし、「厳しい環境に対応できなかった」と振り返る手嶋は、19試合に出場して予選通過は9試合。賞金ランキングは153位に終わり、来季の出場権を得ることはできなかった。手嶋は2008年シーズンの出場権をかけた予選会の出場を見送り、再挑戦に向けて日本で建て直しを図る。
一方で、賞金王争いは熾烈を極めた。シーズン終盤に入り、3度目の賞金王に挑むアーニー・エルス(南アフリカ)、タイトル防衛を狙うパドレイグ・ハリントン(アイルランド)、初のビッグタイトル獲得のチャンスを迎えたジャスティン・ローズ(イングランド)による三つ巴の争いが展開。ツアーを代表する実力者同士の争いは均衡が崩れぬまま、決着は最終戦「ボルボマスターズ」まで持ち越された。
ところが、賞金ランクトップだったエルスがアジアンツアーの「バークレイズシンガポールオープン」に出場したため、最終戦を欠場。ここでローズが勝利を収め、逆転で初の賞金王に輝いた。米国PGAツアーにも並行して出場しているローズは、欧州ツアー12試合の出場ながら、優勝2回、2位が3回、トップ10入り9回。タイガー・ウッズを髣髴とさせるような“省エネ”プレーで、ワンランク上の強さを披露した。27歳の若きスター候補だったローズが、その才能を大きく開花させるシーズンとなった。