金愛淑、3人プレーオフを制して開幕戦勝利!
昨シーズン、勝利こそなかったがコンスタントに上位に食い込み、ランキング21位。金愛淑は着実に力をつけてきた。開幕戦、ダイキンオーキッドを制したのも決してフロックではない。日本ツアーに参加してから、もう14年がたっている。
最終日、ベテラン揃いの最終組は申し合わせたように崩れた。そして一組前の3人がこれも申し合わせたように5アンダーで並び、その18ホールを戦った3人がそのままプレーオフ。十分な実績こそあるものの昨年は不調だった村井真由美、まだ新人同様のプロ4年生・大金寿子、力はつけてきたものの実を結ぶには至っていなかった金愛淑。
開幕戦ということもあり、お互いにミス連発のプレーオフ。しかしその中でいちばんミスの少なかった金愛淑が、ロングホールの3打目と最初のパットを確実に決めて初めてのツアー優勝をつかみとった。
初めて日本のゴルフファンの前でマイクの前に立ち、すっかり上手になってしまった日本語を披露した。かすかに涙がにじんでいたが「でも、想像していたほどの感激ではありませんでした」と言う。
「20歳で日本にきました。初優勝まで長かった。勝ちを逃がすたびになぜ勝てないのか、何が欠けているのか、考え続けました。でも勝てなかったから、ここまで挫折しないで続けてこられたんだと思います」 韓国でも勝利の経験はない。「ゴルフを始めてから初めての優勝です」
ギャラリーから「愛チャン、頑張れ」と声をかけられた。韓国にいるより日本にいる時間の方が長くなった14年間だった。「うれしいです。これからもテレビに出られるように、頑張ります」
仕事の都合で先に韓国に帰った夫は「自分がやってきたことを信じて、思い切りやりなさい」と言い残していったという。「きっとテレビ、見てるんじゃないですか。まだ電話もしてません」