有村智恵、悲願の国内メジャー初制覇!
◇国内女子メジャー第2戦◇日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 最終日◇タラオCC西コース(滋賀県)◇6670ヤード(パー72)
単独首位からスタートした有村智恵が、最終ラウンドを2バーディ、2ボギーの「72」でまとめ、通算13アンダーをキープして逃げ切りで今季3勝目を飾った。ツアー通算13勝目は待望のメジャー初制覇。今後の米国女子ツアー挑戦に弾みのつく大きな勝利となった。
1打差の2位に、終盤の5連続バーディなどで「65」をマークした韓国の朴仁妃。2位から出た吉田弓美子は通算11アンダーの3位でフィニッシュ。金田久美子と笠りつ子が通算8アンダーの4位タイに入った。
<メジャー初制覇で賞金ランクも3位に浮上>
勝負も大詰め。終盤の17番を終えて、同じ最終組を回る吉田との差は2ストローク。3日目から2人のスコアだけが後続を突き放し、最終日もマッチレースの様相。有村は当然、吉田のスコアしか目に入っていなかった。
しかし、最終組の2組前、8打差を追ってスタートした朴仁妃が14番から怒濤の5連続バーディフィニッシュ。一気にリーダーズボードを駆け上がり、有村に1打差に迫る通算12アンダーでホールアウトしていた。実は緊迫した展開だったことを「知りませんでした」と振り返る有村の最終18番は、周囲の心配をよそに最後まで盤石だった。ティショットをフェアウェイに運ぶと、「とにかくグリーンに乗せよう」と残り175ヤードの2打目を抑えぎみにフォローをとり、確実にピン左3mへと運ぶ。バーディパットは惜しくもオーバーしたが、50センチのウィニングパットを沈め、ついに悲願成就の瞬間を迎えた。
吉田との勝負の分かれ目となったのは後半10番(パー5)。3打差リードのまま迎えた8番(パー5)で有村がボギー、吉田がバーディを奪い、一気に1打差に詰め寄られる。しかし、10番では逆に吉田がボギーを叩いた一方、有村が7mのバーディパットをねじ込み、再びリードを3打差に。以降は吉田も停滞が続き、朴の怒濤の追い上げも何とか振り切った。
念願のメジャー初勝利により、優勝賞金2,520万円を獲得。賞金ランキングでも3位に浮上し、トップの全美貞との差を約2,000万円に詰めた。「一昨年ぐらいからメジャーで良い成績を残せず、そこで差をつけられていた」と振り返る有村。そのメジャーを制しての今季3勝目。賞金女王争いが、がぜん面白くなってきた。