木戸愛が逃げ切って涙のツアー初優勝!
◇国内女子◇サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント最終日◇イーグルポイントGC(茨城県)6,535ヤード(パー72)
2位に4打差の単独首位で最終日を迎えた木戸愛。1番でバーディを奪ったが、7番でボギー、さらに9番ではダブルボギーとスコアを落としてしまった。この時点で10アンダーの不動裕理に並ばれてしまった。しかし、後半に4つのバーディを奪った木戸が、通算14アンダーまで伸ばしてツアー初優勝を果たした。
木戸とは2打差の通算12アンダー単独2位は全美貞(韓国)。通算11アンダー3位タイには手首の怪我から復帰したばかりの申智愛(韓国)とキム・ソヒ(韓国)の2人。中盤首位タイまで上り詰めた不動は、通算10アンダー単独5位となった。
さらに通算9アンダー6位タイは永井奈都と初日に木戸と並び首位タイにつけていたジャン・ウンビ(韓国)。通算8アンダー8位タイに森田理香子と藤本麻子が並んだ。また、横峯さくらは通算6アンダー14位タイ。「全米女子オープン」制覇のチェ・ナヨンは通算5アンダー18位タイ。2週連続優勝を狙った有村智恵は通算4アンダー24位タイに終わった。
<木戸、夢への第一歩を踏み出すツアー初勝利>
ツアー初勝利に向け、2位に4打差をつけての単独首位からスタートした最終日。しかし、最終組をともに回る不動裕理と全美貞を相手に、勝利への道は険しいものとなった。
スタートホールのバーディ以降は停滞が続き、7番では1mがカップに蹴られ3パットボギー。ここで不動が3つ目のバーディを奪って2打差に詰め寄られると、9番(パー3)のティショットはプッシュアウトして大きく右へ。アプローチもピンを15mほどオーバーし、2オン3パットのダブルボギー。前半を終えた時点で不動に10アンダーで並ばれ、戦況は一気に混沌の模様を呈した。
「9番のダボあたりは、今日の緊張のピークだった」と振り返る一方で、木戸の中では対称的な感覚がこみ上げてきたという。「不動さんに並ばれた時点で、その状況でのドキドキ感が幸せに思えた」。前夜には「追いつかれても、全ての状況を受け入れようと思っていた」と気持ちを固め、追い込まれる状況は覚悟の上。「焦りというよりも、逆に気持ちが楽になって吹っ切れた。後半はさらに強い気持ちでプレーできました」。サンデーバックナインに入り、木戸は再び輝きを取り戻す。
10番、11番と連続バーディを奪い、再び単独首位の座へ。全の9番から4連続バーディを奪う猛追で再び12番で並ばれるが、14番、そして17番のバーディで勝負を決定づけた。17番で打った8m下りのバーディパットはゆっくりとカップに向かい、最後のひと転がりでカップイン。今週、木戸を支えてきた好調なパットが最後まで支えとなり、最終ホールを前にリードを3打差に開いた。
「必ず通らなければいけない道だと思っていた」と思い描いていた、プロ5年目で掴んだ初めてのタイトル。「まずは日本で活躍し、世界に行きたいという気持ちは強い。自分で道を切り開いていけるように頑張りたい」。父は、元プロレスラーとして名を馳せた木戸修。恵まれた体格と運動神経を受け継ぐ、無限大の可能性を秘めた22歳が、夢への大きな第一歩を踏み出した。