全美貞、3度目の大会制覇!海外勢の勢いは止まらない
◇国内女子◇リゾートトラストレディス最終日◇グランディ軽井沢GC(長野県)◇6506ヤード(パー72)
通算11アンダー単独首位でスタートした全美貞(韓国)が、最終日もスコアを伸ばし通算14アンダーのトーナメントレコードで優勝を果たした。今季開幕戦から10試合、トップ10を外したのが1試合だけと常に優勝争いに加わっていた全が、昨シーズンの最終戦以来の勝利。今大会では会場がことなるが、3度目の栄冠を掴んだ。
また、今季のメジャー初戦「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」から続いている海外勢の優勝は、5試合連続。1992年以来10年ぶりとなった。
通算11アンダー単独2位は李知姫(韓国)。日本勢の最上位は通算10アンダーの井芹美保子。通算9アンダー4位には笠りつ子とカン・スーヨン(韓国)の2人が並んだ。また大会連覇を狙った横峯さくらは、通算1アンダー27位タイ。1年以上優勝から遠ざかることになった。
<「やっと・・・」安堵の全美貞>
「やっと勝てて嬉しいです。いいところまでいくのに崩れることが多かったけど、今日やっと・・・」。優勝会見で、安堵の笑顔を浮かべる全美貞。その気持ちは、今シーズンの戦績からも伝わってくる。10試合に出場してトップ10を外したのは1度のみ。トップ5は8度を数え、未勝利ながら賞金ランクは2位。出場ラウンド数と順位から換算するロレックスランクでトップを走っていることは、もっとも安定して上位フィニッシュを続けていること意味する。ここまで未勝利なのが不思議なほどの内容だった。
これまで続けてきたスイング改造が今年に入り体に馴染み、昨年8月からはメンタルコーチに師事。「飛距離も伸びたし、メンタルも強くなった」と自身の成長を口にする。メンタル面では、ショットからパットまで、ルーティンからスイングに至る思考をシンプルにし、1打への集中力も高まった。そして、さらに深めたショットへの自信。2つの要素が合わさり「1つミスショットが出ても大丈夫、と思えるようになった」と、今シーズンの際立つ安定感の要因を明かした。
序盤4ホールで2つ伸ばし、独走に入るかと思われた矢先。7番ボギー直後の8番パー5でティショットを右にふかすと、風にも流されてOBに。だが、この場面でこそ心身の成長の跡がうかがえた。打ち直しのティショットを右ラフに運ぶと、4mのパーパットを捻じ込み、傷口を最小限に留めるボギー。「下りのスライスで難しかったけど、強く打ったのがよかった。大きかったですね」。傾きかけた流れを断ち切り、サンデーバックナインの4バーディへと繋げた。
届きそうで手が届かなかったシーズン1勝目をようやく手にし、次なる目標を「今までやってきたことを、しっかりとやっていく。それだけです」と謙虚に掲げる。だが、今週を終えて賞金ランクトップに浮上し、やはり沸き立つ“女王”への期待。「結果として、あとからついてきてくれれば嬉しいですね」。謙虚を貫きつつも、その表情は自信に満ちているように見えた。