小林正則、「62」で6打差逆転、通算2勝目!
◇国内男子◇アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン最終日◇東広野ゴルフ倶楽部(兵庫)◇7020ヤード(パー71)
最終日を首位と6打差の15位タイで迎えた小林正則が、1イーグル8バーディ1ボギーの「62」、9アンダーで回って通算17アンダーとし逆転優勝。11年の「とおとうみ浜松オープン」以来となる自身2勝目を鮮やかな逆転で決めた。
1打差の2位に続いたのは、この日4つスコアを伸ばした小田孔明。通算14アンダーの3位に、首位から出た上平栄道が入った。
<初日に棄権も考えた小林正則が大逆転!>
大会初日に1番からスタートした小林正則は、14番までに6オーバーとスコアを崩していた。「4ホール目ぐらいから胃が痛み出して、元々胃は弱いんですが、キャディからは止めたほうがいいんじゃないかって言われたけど、棄権は格好悪いからと我慢していたら、上がり4ホールで3バーディが来て精神的にも少し楽になりました」。真剣に棄権も考えた小林だったが、ラウンド後にお灸を受け、胃腸薬を飲んだら食事も摂れるまで回復した。
初日は3オーバー110位タイと出遅れた小林だったが、2日目は7バーディ、ノーボギーの「65」で、通算4アンダー25位タイに急浮上。3日目はダブルボギーをたたくなど4ストローク伸ばすに留まったが、通算8アンダー15位タイ。そして最終日に1イーグル、8バーディ、1ボギーの「62」と大爆発。自己ベスト更新の好スコアをたたき出した。
前半の最終9番パー5で、リーダーズボードを確認した小林は「このイーグルパットを決めたら自分がトップに立てると思って、気合いを入れました」と、2.5mをねじ込み前半28ストロークで終えた。終盤は「バタバタしてしまいました」と振り返るものの、最終18番パー5はティショットを右ラフ、2打目は左ラフに入れながらも「後ろが孔明だから、バーディじゃないとプレーオフにも残れないと思ったので」と、池を恐れずピンをデッドに狙う。
深いラフから54度のウェッジで振り抜いたショットは、ピン奥90センチにぴたりと止まった。決まれば18アンダーでホールアウトという状況だったが「あんなに曲がると思わなかった」というバーディパットがカップの左をすり抜けた。それでも返しのパーパットを確実に決めた小林は、後続の選手がスコアを落としたことをプレーオフに備えていた練習グリーン上で聞いた。「4試合予選落ちが続いていたので、まさか優勝できるとは思いませんでした」と目を丸くする小林が、目の覚めるような大逆転優勝で大会を締めくくった。