石川遼は伸びず、久保谷健一が9年ぶりの優勝!
神奈川県にある戸塚カントリー倶楽部 西コースで開催されている、国内男子ツアー18戦「キヤノンオープン」の最終日。首位に4人が並ぶ大混戦を抜け出したのは、3番パー4でイーグルを奪った久保谷健一だった。
中盤はブラッド・ケネディ(オーストラリア)、チャワリット・プラポール(タイ)、H.T.キム(韓国)の海外勢3人と12アンダーで並んでいたが、13番、17番でバーディを奪った久保谷が通算14アンダーで優勝を果たした。2002年以来のツアー5勝目となる。
2打差の通算12アンダー2位には、ケネディ、プラポールと小山内護の3人。通算11アンダー5位タイには、武藤俊憲と今季初優勝を狙い首位タイからスタートした石川遼の2人。石川は前半に4つのボギーをたたき優勝争いから脱落してしまった。
通算10アンダー7位タイには、宮里聖志、谷口徹、立山光広と韓国のハン・ジュンゴンの4人。2年ぶりの大会制覇を狙った池田勇太は、通算9アンダーで宮本勝昌、甲斐慎太郎などと並び11位タイに終わった。
<久保谷健一、運命的なイーグルで5勝目>
国内男子ツアーでは2004年の「ミズノオープン」以来となる、首位タイに4人が並ぶ大混戦で迎えた最終日。久保谷は前半3番でティショットをフェアウェイに運ぶと、残り85ヤードの第2打でサンドウェッジを握った。「手応えなんか無かった」という一打だったが、ピン奥1メートルに着弾したボールは勢いよくスピンで戻ってそのままカップインし、大歓声を呼んだ。
昨年大会の最終日も、同級生の横田真一が石川遼と最終組で激突し、3番でイーグルを奪ってトーナメントを引っ張り13年ぶりの優勝。「まさか自分もとは思わなかった」。その後は5番を3パットボギーとしながらも、なんとかノーボギーで耐え続け、2位に1打差をつけて迎えた17番で4メートルのバーディパットを沈めて見事逃げ切った。
石川にはラウンド後「横田さんも去年は3番の時点で(優勝の流れが)決まっていた。久保谷さんも決まっていたんですよ」と白旗を挙げさせた。それでも久保谷は「3番の時点で行ってくれれば良かったのに…。もうどれだけ苦しかったか」と苦笑い。地元・神奈川で味わった9年ぶりの喜びも「ただ耐えるのみの一日だった。運が良かっただけ」と、実感なく振り返った。
<石川遼はショートゲームに精彩を欠き5位>
大会史上最多、そして今季の男子ツアー最多となる1万9926人のギャラリーが来場した最終日。石川は前半アウトで、バーディの直後に2連続ボギーという流れが2度あり、トップを追う展開を強いられた。「流れを自分に引き寄せられなかった」と2ストローク落として折り返し、後半は2バーディで反撃に出たが久保谷に逃げ切りを許した。「今週はドライバーに練習の比重を置いていたので、他の部分でミスが出たのかなと思う」とアプローチのミスが痛恨。しかし「来週もテーマは変わらない」と今後もドライバーショットの研鑽を積む姿勢を示した。