諸藤将次が36ホール決戦を制し初優勝!遼は5位
山梨県の富士桜カントリー倶楽部で行われた国内男子ツアー第13戦「フジサンケイクラシック」最終日。大会前からの降雨によるコースコンディション不良のため中断、順延が相次ぎ36ホールでの決着となる中、諸藤将次が通算6アンダーでツアー初優勝をマークした。
最後の18ホールとなったこの第2ラウンドを4アンダーの暫定首位から出た諸藤は、前半に2つスコアを伸ばして独走態勢を築いた。後半12番からは2連続ボギーを叩くが、続く14番をバーディとし落ち着きを取り戻す。結局5バーディ、3ボギーの「69」でホールアウトした。
3打差の2位にはシンガポールのマーダン・ママット。さらに1打差の3位タイに小田孔明とタイのキラデク・アフィバーンラトが続いた。4打差を追い、逆転での大会3連覇を狙った石川遼は、この日のラウンドで「70」にとどまり、薗田峻輔と並んで通算1アンダーの5位タイに終わった。
なお、36ホールでの競技成立は日本ゴルフツアー機構(JGTO)の記録に残る1985年以降、87年「ゴルフ日本シリーズ」、91年「ブリヂストンオープンゴルフトーナメント」、98年「よみうりオープンゴルフトーナメント」に続く4度目となった。また、ツアーの規定により36ホールの短縮競技となったため、賞金配分は設定額の50%となった。
<変則日程の中で飛ばし屋・諸藤が悲願の初勝利>
台風12号の影響による連日の大雨で、36ホールでの決着となった今大会。前日3日(土)に完了した第1ラウンド終了後、成績順に組替えを行い、第2ラウンドを開始した。通例では前日トップの選手が最終組に入るように、前のラウンドの成績逆順でスタートしていくが、テレビ中継の関係で100人以上の出場選手を半分に分け、上位につけていた選手を前半にスタートさせた。
そのため、諸藤のホールアウト時点では、依然として下位スタートの50人余りの選手がプレーを続行中。彼らのプレー中に再び中断が発生し日没サスペンデッドとなれば、全選手が36ホールを消化できないことになり、競技不成立となってしまう恐れも。しかし午後には雲間から太陽ものぞき、悲願のツアー初優勝が決まった。
諸藤はホールアウト直後に勝利を確信してはいたが、約4時間後の表彰式で「ちょっと実感がわいてきた。嬉しいです」と笑顔。「後半9ホールは長かった。ようやくスタート地点に立てた」と喜びをかみしめた。今季ここまでのツアーで唯一人、300ヤード以上の平均飛距離を誇るスケールの大きな26歳は、将来の海外進出を夢見て戦っていく。
<石川遼は後半インでもたつき3連覇を逃す>
大会史上初の3連覇がかかった石川遼は、4打差の諸藤を追ってスタート。1、3番とバーディを奪い追撃モードに入った。しかし5番の右サイドからの第2打をグリーン左手前の池に入れてダブルボギーとすると、後半インはチャンスを活かせない。結局「70」で1ストローク伸ばすにとどまり「やり切れたという感じではない。後半なかなかバーディを獲れず、足踏みしてしまった」と口惜しそうだった。