石川遼VS池田勇太 10勝目争い最終日最終組対決へ
神奈川県の戸塚カントリー倶楽部 西コースで開催されている国内男子ツアー「キヤノンオープン」3日目。6アンダーの6位タイから出た石川遼は1イーグル、4バーディの「66」をマークし通算12アンダーの2位タイに浮上した。
首位を快走する池田勇太との差を前日から2ストローク縮めたムービングデー。ホールアウト直後の石川は、同組で同じ通算12アンダーでフィニッシュしたハン・ジュンゴン(韓国)よりも先にスコアを提出し、最終日最終組の座を手に入れた。「スコアは良かったと思う。追いかける立場としては良いゴルフができた」。首位には2打差。2年ぶりの勝利へ逆転のチャンスをものにした。
前半はチャンスを活かせず、奪ったバーディはパー5での2つ。しかしチャージをかけたのは後半。12番で9アンダーまでスコアを伸ばすと、13番(パー5)で、3番ウッドで2オンに成功。そして10メートルのスライスラインを沈め会心のイーグルでガッツポーズを作った。
さらに16番(パー5)では第2打をドライバーで強振。同組の2人がラフからフェアウェイに刻んだのに対し強攻策を選択した。ボールが止まりやすく、バックスピンで戻りやすいグリーンを警戒。サードショットで距離を残してフェアウェイから打つよりも、ボールをグリーンに近づけ、スピンのかかりにくいラフから3打目を打った方が得策と判断した。狙い通り右ラフから残り50ヤードの第3打をウェッジでピンそば2メートルにつけ、4つ目のバーディを奪った。
石川にとっては、同大会で3年連続の最終日最終組でのプレー。今年はベテランの手嶋多一、そしてともに最年少通算10勝を狙う池田勇太と直接対決となった。今週月曜日(1日)、愛知県内で石川と池田はテレビマッチの公開収録に臨み、その場でツアーでの同組ラウンドを熱望したばかり。「もちろん最終日最終組で」と意気投合していたところだった。それが「さっそく現実になった」と武者震いする石川。逃げ切りを狙う池田も「良いペアリングになった。お互い良いプレーができれば」とにやりと笑った。
2人がツアーで初めて同組となったのは2008年の「キヤノンオープン」の予選ラウンド。このトーナメントの記念すべき第1回大会だった。直近は昨年9月の「パナソニックオープン」第3ラウンドだが、過去17度の同組で、ともに最終日最終組に入ったのは09年の「コカ・コーラ東海クラシック」の1回だけ。当時は1打のリードを持ってスタートした石川が逃げ切っている。
今度は追う立場となる石川は「勇太さんはピンを刺すアイアンショット、ドキッとするパットを出してくる。隙がないしボールに魂が込められている。カギは前半。最悪でも(差が拡がってもハーフで)3、4打差で留めておきたい」と戦況を見据えた。「まずは“勝負”に持って行きたい。1番ホールから地に足をつけてやって行くことが重要」と、あり余る興奮を抑えながら、日曜日のティオフを迎える。(神奈川県横浜市/桂川洋一)