松山英樹、4打差10位で決勝Rへ ほかの日本勢は全滅/全英オープン
2015年 全英オープン
期間:07/16〜07/19 場所:セントアンドリュース(オールドコース)(スコットランド)
松山英樹は長~い中断にめげず 聖地全英で日本勢史上最少「66」
長い、長い18ホールは松山英樹の新たな勲章となった。スコットランドのセントアンドリュースで開催中の海外メジャー「全英オープン」は18日(土)、悪天候により順延となった前日の未消化分がプレーされ、予選ラウンドが完了した。松山は日没サスペンデッドからの再開後、残していた4ホールをすべてパーとし、第2ラウンドを8バーディ、2ボギーの「66」でまとめ、同コース開催の全英で18ホールの日本人最少スコアを更新。通算6アンダーの10位タイで決勝ラウンド進出を決めた。
大会はこの18日(土)も、強風の影響で約10時間半の中断を強いられたことを受け、19日(日)に第3ラウンドを、20日(月)に最終ラウンドを行うことを決定。1988年大会以来、27年ぶりに72ホール完了が月曜日に持ち越された。
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この日の午前7時過ぎ、松山は15番のティショットから第2ラウンドのプレーを再開。ニット帽姿で2パットパーを拾うとすぐに、クラブハウスに引き返した。強風の影響で、グリーン上にリプレースしたボールが止まらないホールがあり、午前7時32分に中断した。
風の勢いは収まらず、再開の予定時刻は1時間後、また1時間後…と先送りが続き、松山は長時間の待機を強いられた。午後10時前にプレーを終えた前夜から、今朝までの睡眠時間は3時間余り。「きょうは、ところどころで20、30分(コース内で)寝ながら、次の情報を待って、昼過ぎまでコースにいた。もう少し情報が早ければもっと早く帰ったんですけど…」。一度宿舎で休憩を挟んだ後、プレーが再開したのは午後6時だった。
10時間のインターバル後のプレーは「ショットが良くなかった。体調的なものかもしれないが分からない」。疲労もあってか満足いくものではなかったが、16番、17番は3打目をパターできっちり距離感を合わせてパーを拾った。
「素直にうれしい」と、2日かけてマークした第2ラウンドのベストスコア「66」は、自身の全英最少スコアを記録。また、セントアンドリュース開催の全英における日本人選手の最少ストロークで、2010年大会の石川遼ら過去7人が記録した「68」を更新した。
しかし、それも途中経過。“日本人史上最高”のフレーズが、松山の心をくすぐることはない。2日目に劇的に復調したパッティングについても「なんなんですかね。いろいろ変えている部分はあるが、何が正解か分からないまま、うまくできている。あしたから続くか分からない状況」と厳しい。ただ「あと1日、同じようなパッティングができれば優勝のチャンスはあるかなと思う」とも言った。
首位とは4打差。“日本人史上初”のメジャータイトルを獲得してこそ、松山は心の底から笑える。(スコットランド・セントアンドリュース/桂川洋一)
<セントアンドリュース開催の全英オープンにおける日本人選手のベストスコア>
「66」/2015年 松山英樹
「68」/2010年 石川遼
2005年 藤田寛之
2000年 丸山茂樹今野康晴
1995年 友利勝良川岸良兼
1978年 青木功
※全英オープンでの日本人選手の18ホール最少ストロークは、1980年にミュアフィールドで青木功が第3ラウンドに記録した「63」