2000年 マスターズ

荒天、強風、サスペンデット 猛追タイガーはV.シンに追いつけるか・・。

2000/04/09 09:00

こんなに荒れたオーガスタナショナルも珍しい。雷雨による2時間の中断はまだしも、その後の風がすごかった。木々の梢は折れんばかりにしなり、太い松の樹も大きく揺れた。千切れた葉や花が飛び、グリーン上を吹き飛んだ。

荒れる寸前にホールアウトできたのがタイガー・ウッズのラッキーだったのかもしない。完全絶望と見られた3オーバーからのスタートだったが、別人のような歯切れよいゴルフを展開した。6バーディ、2ボギー。圧巻は7番8番9番10番の4連続バーディだ。初めてウッズが拳を突き上げた。ホールアウトの1アンダーはささやかな一歩のように見えたが、しかし後続組が次々とスコアを落としていったため、待っている間に面白いように順位が浮上。日没サスペンデット時点では暫定6位にまで上がってしまった。

こうなると、明日はもちろん優勝狙いのゴルフになる。「タイガーはもう絶望だって、みんな書いてたね。でもマスターズでは何が起きるか分からない。インで30を出すことだって可能なんだ」とタイガーは完全に燃えてきた。

残りホールを消化するために明日早朝のラウンドを強いられる上位陣はかなりのハンディを負うことになる。第3ラウンドを終えてから最終ラウンドスタートまでの、ありすぎる時間をどうすごすかも課題だろう。実際、最終日のシンがスコアを伸ばせない、あるいは落とすようなことがあると、奇跡が生まれる可能性は十分すぎるほどあるのだ。本当に信じられないような展開になってしまった。

2000年 マスターズ