2001年 ビュイックチャレンジ

息詰まるバーディラッシュはサドンデスに突入した

2001/10/29 09:00

米国男子ツアー「ビュイック・チャレンジ」の最終日。初日から始まったバーディラッシュは止まるところを知らず、しかも日替わりで誰かが飛び出す玉手箱のようだった。

18アンダーの単独首位でスタートしたJ.エドワーズは、バーディが奪えず、逆にボギーが3つ先行してしまい優勝争いから脱落した。また、1打差の17アンダー単独2位からスターとしたD.ラブIIIも序盤2連続バーディを奪ったが、8番でボギーを叩くと、その後は再三トラブルに見舞われ、チャンスにもパットが決まらず5位となった。

この日の主役はデフェンディングチャンピオンのD.デュバル。これまでの3日間は、スコアを伸ばしそうで伸ばせず12アンダー7位だったが、最終日は1年前を思い出させる気合いのこもったデュバルが見られた。前半は1イーグル、1バーディ、後半に入ると、10、11番を連続バーディ。13番からは3連続バーディを奪い20アンダーで単独首位に踊り出た。

昨年自身が飾った優勝スコア21アンダーまで迫ったデュバルは、17番でもバーディを奪い、この日だけで9アンダーの63をマークした。バーディを決めても決して派手なアクションを取らない、鉄火面のような強くて怖いイメージが蘇ってきた。通算21アンダーで抜け出し、後続を待つことになった。

終盤まで17、18アンダーで首位が5人並ぶシーンも見られ、混戦となっていたが、デュバルの抜け出しで、B.エステス、N.ランカスターらも喰らい付こうと必死だった。そして、デュバルを捕らえたのはC.ディマルコだった。

14アンダーの4位からスタートしたディマルコは、8番ホールまでに5つのバーディを量産し、早くも首位に立っていた。しかし、9番でボギーを叩くと、その勢いは衰え追いかける集団に吸収されてしまった。だが、終盤に3つのバーディを奪いついにデュバルに追いついた。最終18番では、およそ5メートルほどのバーディパットを決めると、力いっぱいのガッツポーズと雄叫びをあげた。

サドンデスのプレーオフは完全に勢いの差が見られた。先に上がったデュバルは、ディフェンディングということもあり、報道陣に囲まれなかなかコースに出て来れなかった。一方のディマルコは気合い充分といった雰囲気でティグラウンドに立った。結局この1ホール目で、慎重にパーパットを沈めたディマルコが勝利を収めた。昨年のペンシルバニアクラシック以来1年ぶり、ツアー2勝目をとなった。

日本勢で唯一予選を通過した丸山茂樹は、4アンダー46位と地道にスコアを伸ばしてきた。しかし、最終日は5バーディ、ノーボギーの完璧なゴルフで9アンダー23位にくい込んだ。丸山にとってこの試合が今シーズンの米ツアー最終戦。今シーズンは初優勝もあり、充実した1年間となった。また、来シーズンに向けてワールドカップで世界にアピールできるようなゴルフを期待する。

2001年 ビュイックチャレンジ