2002年 全米プロゴルフ選手権

タイガーに1打差でリッチ・ビームが優勝!

2002/08/19 09:00
今シーズン初めてのメジャーで見事に栄冠を掴んだ。

単独首位で最終日を迎えたジャスティン・レナードのメジャー2勝目なるか。それともレナードから5打差のタイガー・ウッズが猛追をかけるか。さまざまな期待の中でワナメイカートロフィーを獲得したのはリッチ・ビームだった。全米プロは今シーズン最後のメジャーだが、ビームにとっては今シーズン初めてのメジャー出場。先々週のジ・インターナショナルで優勝し、わずか1週間前に全米プロへの切符を獲得したばかり。そしてメジャー初優勝を果たしたビームは、まさにシンデレラボーイと言えるだろう。

強風が吹き荒れた昨日、好プレーを展開したレナードは、穏やかな天候となった最終日、ボギーとバーディが入れ替わる荒れ気味のスコアを記録した。9アンダーでスタートしたレナードの優勝の行方を大きくさえぎったのはグリーン手前の難しい位置にピンフラッグがはためいていた8番ホール(パー3)。ティショットを池に落としてダブルボギーを叩いたレナードは、続く9番ホールもボギーとなり、トータル6アンダーへ後退した。

代わって首位に躍り出たのがリッチ・ビーム。3番、4番、7番ホールでバーディを決めたビームは、8番ホールでボギーを叩き、前半は34。トータル8アンダーで折り返した。ビームが優勝へ大きく近づいたのは11番ホール(パー5)。第2打でグリーンを捉え、3メートルのイーグルパットを危なげなく沈めたビームは、この時点で唯一の2桁アンダー(10アンダー)へ。13番はバーディ、14番はボギーと続き、10アンダーで最難関の16番ホールを迎えた。

終盤の4連続バーディ、タイガーチャージは出たが・・

そのころ、トップを走るビームに猛追をかけてきたのがタイガー・ウッズ。前半3バーディ、後半は13番、14番を連続ボギーとしたものの15番ホールから連続バーディで猛チャージをかけ始めた。タイガーが7アンダーで17番ホール(パー3)のバーディパットに臨もうとした直前、ビームが16番ホールで沈めた15メートルの長いバーディパットをたたえる大歓声が沸き起こった。ビームは2ホールを残して11アンダー、タイガーは1ホールを残して8アンダー。ビームの優勝は、ほぼ決定的になった。

最終ホールで第2打をピタリと1.5メートルに付け、鮮やかなバーディで締めくくったタイガーは、ラスト4ホールを連続バーディとして今日5アンダー67、トータル9アンダー。17番ホールをパーで切り抜けたビームは、18番ホールのグリーンを2打でとらえたがピンまでの距離は18メートルと長い。しかし、3パットでもタイガーに1打差で優勝である。実際、そこから3つでウイニングパットを沈めたビームは、今日4アンダー68、トータル10アンダーで初めてのメジャータイトルを手に入れた。

「期待もしていなかったことだよ。(ラウンド中)タイガーのチャージとか、そういうことは何ひとつ気にしていなかった。だけど、すごい歓声が聞こえてきて‥‥タイガーが17番でバーディを取り、18番でもバーディを取ったとわかった。でも僕は自分がやっていることだけをコントロールしようと努めた。きれいな妻サラと得たこの勝利の味は格別だね」。

16番のバーディで優勝を確信しガッツポーズを決めるビーム

昨年12月に結婚したビームにとって、今季は最高のシーズンとなりつつある。この優勝は、99年のケンパーオープン優勝、先々週のジ・インターナショナル優勝に続くツアー3勝目。ビームは先週のビュイックオープンには出ていないため、出場2試合連続優勝を果たしたことになる。優勝賞金99万ドルを手に入れたビームは米ツアー賞金ランクを15位から4位へランクアップした。

単独2位はトータル9アンダーでフィニッシュしたタイガー・ウッズ。「悔やまれるのは14番ホールのひどいショット。もっとバーディが必要だったね。リッチはいいプレーをしていた。彼は自分のゲームと自分自身を信じていたからこそ、グッドショットを打てたんだ」。単独3位は今日2アンダー70、トータル5アンダーのクリス・ライリー。レナード(今日77)とファンク(今日73)はトータル4アンダー、4位タイとなった。

日本人選手の成績は残念ながら伸びなかった。丸山茂樹は今日73、トータル8オーバー43位タイ。伊沢利光は今日78、トータル10オーバー53位タイに終わった。丸山も伊沢も来週はWGC-NECインビテーショナルに出場する。

レポート&写真:BEYONDSHIP

最終日は好天で多くのギャラリーが訪れた。
選手たちはギャラリーの声援にしびれた。
堅実なプレーで上位に入った。この経験は将来に生きるだろう。
あがり4ホール連続バーディは圧巻だった!来年のグランドスラムに期待!
大会を最も盛り上げたベテラン。
序盤からアップダウンの激しいゴルフで、最後まで波に乗ることが出来なかった・・・
難コースに屈することなく、最後までアグレッシブにプレー。メジャーに最も近い日本人だ。
予選ラウンドでは安定したプレーを披露してくれた。来年のメジャーに期待!

2002年 全米プロゴルフ選手権