まさかの逆転劇、B.スネデカーがプレーオフを制す! 石川遼は13位
◇米国男子◇ファーマーズ・インシュランスオープン最終日◇トーレパインズGC/サウスコース(7569ヤード、パー72)
2位のブラント・スネデカーに3打差をつけて最終18番(パー5)を迎えたカイル・スタンリーは、3打目を池に入れるなど痛恨のトリプルボギー。スネデカーと通算16アンダーで並び、決着はプレーオフにもつれ込まれた。18番の1ホール目をバーディで分け、16番(パー3)で行われた2ホール目。パーパットを外したスタンリーに対しスネデカーが確実にパーで収め、大逆転で今季初勝利を手にした。
通算14アンダーの単独3位にジョン・ロリンズ。昨年の「FedEx Cup」王者のビル・ハースは、キャメロン・トリンゲイルと並び通算12アンダーの4位タイ。通算9アンダーの11位タイからスタートした石川遼は、1イーグル、2バーディ、4ボギーの「72」とパープレーに留まり、リッキー・ファウラー、バッバ・ワトソンらと並び通算9アンダーの13位タイ。ベ・サンムン(韓国)は「78」を叩き、通算6アンダーの33位タイに後退した。
<B.スネデカーが最終日「67」で棚ぼた勝利>
最終組の2つ前の組でラウンドし、単独2位でホールアウトしていたスネデカーは、スタンリーの最終ホールでの乱調をモニターで目にし、慌ててパット練習を始めた。プレーオフ突入が決まると「カイルは(正規の)18番のプレーで 内心揺らいでいたと思う。だからもう一度集中した」と、74ホール目での勝利を喜んだ。
スネデカー自身、同大会では2007年は3位、一昨年は2位、昨年は9位と相性が良かったトーレパインズGC。昨年終盤は、でん部の痛みなどで戦列を離れていたが、通算3勝目に優しい笑顔を浮かべた。その一方で「ゴルフはこういうおかしなことが起こるんだ。最後のホールにリードして入っても勝ちではないからタフだ。今日の夜は彼(スタンリー)にとって、キツイと思う。でも彼はものすごく才能のある選手。自分を責めすぎないでほしい。彼には勉強になったはず。すぐにまた良いプレーをしても、僕はまったく驚かないよ」と3日間と17ホール首位を守り続けた若き逸材を気遣った。
<最終ホールに悲劇 K.スタンリー>
24歳のスタンリーがあと一歩まで迫ったツアー初優勝を逃した。2位に5打差をつけてスタートすると、前半終了時で3つスコアを伸ばして通算21アンダーの一人旅。11番から2連続ボギーをたたいても、独走優勝を疑うものがいただろうか。しかしサンデーバックナインの恐怖は最終18番。先にホールアウトしていたスネデカーに3打差をつけて迎えたが、フェアウェイから残り77ヤードの第3打をグリーン手前の池に落としてしまう。さらに5打目でグリーンに乗せたものの、1メートルのウィニングパットを外してトリプルボギー。プレーオフでも最後は2メートルのパーパットを外して敗れた。
学生時代はリッキー・ファウラーらとともに米国代表として「ウォーカーカップ」を戦った将来有望なプレーヤー。「18番も緊張はしていなかった。振り返っても、どう考えていたか覚えていない。難しいホールではないし、まっすぐなパー5だ。何度プレーしても8打たたく事はなかった」と悪夢のような幕切れにガックリ。それでも、まるで昨年のマスターズで敗れたロリー・マキロイのように「今すぐに顔を上げるのは難しいけれど、耐えなければいけない。僕の今シーズンの目標はこういう位置でのプレーを続けること。やってみせる」と再起を誓った。
<石川遼は後退も充実の4日間>
初日から3日間続けて「69」と好スコアをマークしてきた石川は、6番(パー5)で2オンに成功しイーグルを奪うなど前半アウトで2ストローク伸ばして折り返し。しかし後半10番、12番でボギーをたたき、結局イーブンパーで13位タイに後退して自身の今季2戦目を終えた。トップ10入りはならなかったものの、上位でプレーした4日間に納得。「今日はアイアンの距離感が合わずに苦しんだが、全体的な内容は良かったと思う。攻めるところは攻めて、守るところは守る。4日間、自分のスタイルを見失わずにできた」と自信を深めた。