国内女子ツアー

BGMはプロ野球チームの応援歌? レジェンドの車中の過ごし方/不動裕理コラム

2026/10/28 11:44
レジェンドの車中の過ごし方は(写真は2026年カヤバレジェンズ Toru Hanai/JLPGA via Getty Images)

国内女子ツアーで通算50勝をマークした不動裕理は50歳になったシーズンもゴルフと真摯に向き合っている。昨年は「日本女子シニアオープン」で優勝し、レギュラーツアーにも7試合に出場。日本ゴルフのレジェンドはどんなキャリアを過ごし、いま何を思うのか。GDOの連載コラムで胸の内を明かす。

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秋も深まってきましたね。肌寒さを感じるようになると、毎年「ああ、今シーズンも終盤だなぁ」と思います。女王争いだとか、シード権攻防だとか、なんとなくツアー全体の雰囲気がせわしなくなる。私たちの間では、カレンダーより1カ月ほど早い年末、という空気感が漂います。

ツアープロにとって、各大会の会場への移動時間は日常の大きな割合を占めるものです。飛行機や新幹線、自動車に乗っている時間は、それぞれは短いようでトータルすると結構、長い。私は試合が終わるたびに、ほぼ毎週熊本に帰っていたので、余計に長く感じたのかもしれません。トーナメント最終日の帰りは時間がたっぷりあるので「(試合で)ここがダメだったなぁ、何であそこでミスしたのかなぁ」といったように、一人で反省会をしながら移動していました。

選手の中には、コースに向かう車中の時間を「集中力や闘争心を高める空間」にする人もいれば、「メンタルトレーニングの場」としている場合もあるらしいけど、私はそんなふうに深く考えたことはないですね。

ただ、車の運転は昔から嫌いじゃない。小学生の頃までは、父が運転する車の助手席に乗って、いろんな場所に連れていってもらいました。そのおかげか、ありがたいことに車酔いとは無縁の体質。私自身、車自体にそんなに執着はないのですが、割と丁寧に乗っているつもりです。父は車に詳しかったので、過去にはタイヤ交換に始まり、ボンネットを開けていろいろ教えてもらったりもしました。

ツアー生活が始まったばかりの頃はまだカーナビもつけていなかったり、ついていても今ほどナビの性能がよくなかったりで…。地図を見ながらゴルフ場やホテルまで運転して行ったこともありましたね。自分の車には地図を必ず置いていたし、時には車を停めて、確認しながら目的地にたどり着くことが何度もありました。ずいぶん便利になったものだなと感じます。

「運転中はクラシックでも聴いてリラックスするの?」なんて聞かれたりするけれど、そんな高尚な(?)過ごし方はしていません。最近のBGMはラジオの時もありますが、たいていはプロ野球チームの応援歌。アップテンポで、球場の熱気が伝わってくるような泥臭いメロディが気持ちいい。意外と今の私の活力になってくれているのかもしれません。

後輩選手が私のために作ってプレゼントしてくれた『嵐のおすすめ曲セレクト』を、結構リピートして聴いていたこともあります。その彼女の最近のおススメは『超特急』。それまであまり知らなかったので、勉強中です。

私の本質はインドア派。だから、ひとりになれる車の運転席も、気楽で好きな空間です。用事がなければ外に出ず、家で本を読んでいるほうが落ち着くというのは偽らざるところです。それでも試合会場に行けば、何千人ものギャラリーの前で一打を争っているのだから、ときどき不可解に思ったりします。